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キーンベック病

【概要】

キーンベック病とは、手首の骨である月状骨の無腐性壊死というもので、手を酷使する肉体労働者やスポーツ選手などに多くみられます。男性で発症率が高く、好発年齢は10~50歳で、20代で最も多くみられます。

 

手首の痛み

 

【原因】

月状骨に対する反復した衝撃や月状骨の骨折、血流が乏しいことなどが原因として挙げられていますが、はっきりとした原因はいまだに明らかにされておらず、複数の要素が関与していると考えられています。

 

【症状】

手首を動かした時の痛みや握力の低下、月状骨を圧迫したときの圧痛などがみられます。また、背屈方向への可動域制限がみられることが多いです。

 

【診断】

レントゲンでは骨性変化がわからないことも多く、MRI検査で明確な診断が可能となります。進行例ではレントゲンでも骨硬化像や関節症性変化が出現することもあります。また、手根管症候群や腱断裂を合併することもあります。病気分類にはLichtman分類を用います。

 

Stage Ⅰ:構造や骨密度ともに正常であるが、ときに線状骨折を認めます。

Stage Ⅱ:骨硬化像を認めるが、形状には変化を認めません。

Stage Ⅲ:文節状変化、圧壊を伴います。

Stage Ⅳ:文節状の変化や圧壊の進行により、舟状骨掌屈回転などの明らかな手根骨配列異常を伴います。

Stage Ⅴ:上記所見に加え、隣接する手根骨や橈骨に関節症性変化を伴います。

 

【治療】

治療には保存療法と手術療法があります。保存療法ではギプス固定や装具療法などを併用した安静や消炎剤の投与などを行います。Stage Ⅰ では基本的に保存療法を選択しますが、Stage Ⅱ 以降では各種手術療法について検討を行います。

手術療法では血行を改善させる手術や、橈骨や月状骨への圧力を調節するLeveling手術、月状骨摘出、腱球移植などを行います。Stage Ⅳ の進行例では、関節固定術の適応となります。キーンベック病は徐々に進行する疾患であり、基本的に自然回復は期待できないとされています。

 

【リハビリテーション】

ギプス固定後や術後には手関節が硬くなってしまっていることがあるため、関節可動域訓練を中心としたリハビリテーションを行うことがあります。手関節周囲筋のストレッチングや月状骨を含む手根骨の可動性改善などにより、日常生活をスムーズに行えるようにしていきます。また、きちんと治療やリハビリテーションを行えばほとんどの場合、仕事やスポーツにも復帰可能です。

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