原因と病態
手の使い過ぎや怪我が原因で痛みを引き起こすことが多いです。場合によっては腫れやこわばりなどの症状があります。
適切な診断、治療を行わないと腫れや痛みが長く続き、症状が引かないこともあります。
Hand
痛み、こわばり、曲げにくい、伸ばしにくい、腫れている、指がひっかかる
手の使い過ぎや怪我が原因で痛みを引き起こすことが多いです。場合によっては腫れやこわばりなどの症状があります。
適切な診断、治療を行わないと腫れや痛みが長く続き、症状が引かないこともあります。
まずは的確な診断を行い、しっかりと痛みを取り除く治療を行います。注射や内服、固定による炎症緩和や症状によっては固定を行うこともあります。
また、再発することも多く、リハビリテーションにて生活動作のアドバイスやストレッチ指導などを行い、再発を予防していきます。
指は腱によって曲げ伸ばしができるようになっています。ばね指は、指を曲げる屈筋腱と、腱を浮き上がらないように抑えている腱鞘が炎症を起こして発症します。
手のひら側の付け根が痛くなり、悪化すると指の「引っかかり」が出現してばね指となります。さらに悪化すると、指が伸びなくなったりしてしまいます。
手首の親指側に痛み・腫脹が生じます。親指の曲げ伸ばしや、手首を小指側に曲げこむことで痛みが出現します。
ヘバーデン結節は、指の変形性関節症です。特に、手指の遠位指節間関節(指の第一関節)に生じるのをへバーデン結節といい、近位指節間関節(指の第二関節)に生じるのをブシャール結節といいます。
関節リウマチは、外敵から体を守る免疫の異常によって関節内に存在する滑膜という組織が異常増殖することで、関節内に慢性の炎症を生じる疾患です。痛みや腫脹を伴い進行すると関節が破壊され、様々な程度の機能障害を引き起こします。
関節症状に加えて貧血や微熱、全身倦怠感などの全身症状を合併することもあります。
女性が男性よりも4倍ほど多く、30~50歳が好発年齢です。しかし、近年65歳以上で発症する高齢発症関節リウマチも増えてきています。人口の0.5~1%が罹患していると言われています。
キーンベック病は、手首の骨の一つである月状骨に血液供給が不十分になり、骨組織が壊死する疾患です。
これにより、手首の運動や機能に影響が出ることがあります。
突き指は、指先の関節に1回の大きな外力が加わって損傷します。スポーツ外傷の中でも多く発症し、特にバスケットボールやバレーボールなどで発症します。指が強い衝撃や外力によって曲がったり、過度に伸ばされたりした際に発症します。
マレットフィンガーと言って、第一関節が手のひら側に曲がってしまったまま伸びなくなるものもあり、場合によっては手術が必要となります。
三角線維軟骨複合体(TFCC)は、手首の小指側に位置する重要な組織で手首の安定性や運動の支援に役立っています。三角線維軟骨複合体損傷は、手首の怪我や過度の負荷、反復的なストレスによって引き起こされます。
橈骨遠位端骨折は、手首の骨の一つである橈骨の遠位端が骨折した状態を指します。
舟状骨骨折は、手首の親指側に位置した舟状骨が骨折した状態を指します。
手根管は手首の手のひら側にある骨と靭帯で形成されている管で、親指の動きを制御し親指~薬指までの感覚を担っている正中神経が通っています。
手根管症候群は、手根管内の圧力が増加し、正中神経に圧迫がかかることで、手の痛みやしびれ、知覚異常、母指の動かしにくさを引き起こすことがあります。
肘部管症候群は、尺骨神経が肘の組織や構造に圧迫されることで、手や指(薬指と小指)の痛み、しびれ、および筋力低下を引き起こします。
野球肘は、主に投球を行う際に起こる肘の怪我や障害の総称です。野球やソフトボールなどの投球スポーツで頻繁に見られるため、この名称が使われています。野球肘には内側型・外側型・後方型の3種類があります。
頻度が高いのは内側型ですが、しっかり投球制限をすれば治癒します。
それに対して、外側型は頻度が多くないものの適切な診断・治療がされないと投球どころか日常生活にも支障をきたすようになります。
上腕骨外側上顆炎は、一般的にはテニス肘として知られています。これは、上腕骨の外側上顆(肘の骨の突起部分)の腱や筋肉の炎症や損傷を指します。
子供(0~6歳に多い)が手を引っ張られたときなどに生じます。肘のけがですが、肩が抜けたような感覚になる場合もあり、肘内障を発症したほうの上肢全体を使わなくなります。
上腕骨は、肩関節と肘関節をつなぐ長い骨であり、上腕骨顆上骨折は上腕骨の肘側が骨折した状態を指します。小さな子供の場合、肘が伸びきった状態で手をついて転倒した際に発症し、小児の骨折でも頻度が高い疾患です。
大人では、高いところからの転落やスポーツでの外傷で発症し、高齢者の場合は骨粗鬆症がベースにあると、ちょっとした転倒で骨折することもあります。
肘関節脱臼は、肘の骨が正常な位置から外れることを指します。