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手・腕の症状|横山医院|保土ヶ谷の整形外科・リハビリ・内科・在宅医療

手・腕の症状

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痛み、こわばり、曲げにくい、伸ばしにくい、腫れている、指がひっかかる

原因と病態

手の使い過ぎや怪我が原因で痛みを引き起こすことが多いです。場合によっては腫れやこわばりなどの症状があります。
適切な診断、治療を行わないと腫れや痛みが長く続き、症状が引かないこともあります。

治療方法

まずは的確な診断を行い、しっかりと痛みを取り除く治療を行います。注射や内服、固定による炎症緩和や症状によっては固定を行うこともあります。
また、再発することも多く、リハビリテーションにて生活動作のアドバイスやストレッチ指導などを行い、再発を予防していきます。

代表的な疾患

ばね指(手指屈筋腱腱鞘炎)

指は腱によって曲げ伸ばしができるようになっています。ばね指は、指を曲げる屈筋腱と、腱を浮き上がらないように抑えている腱鞘が炎症を起こして発症します。
手のひら側の付け根が痛くなり、悪化すると指の「引っかかり」が出現してばね指となります。さらに悪化すると、指が伸びなくなったりしてしまいます。

原因と病態
妊娠・出産期の女性や更年期の女性に好発します。仕事やスポーツで手の使い過ぎによっても発症します。また、糖尿病や関節リウマチ、透析をされている方にも多く発症します。
これらの原因により、屈筋腱や腱鞘に炎症が生じます。
診断
指の付け根に痛み・腫脹・圧痛があり、超音波検査で腱や腱鞘の腫脹や炎症を認めることで診断することができます。
予防と治療
軽度のばね指の場合、安静、物理療法、外用剤の使用などが有用です。これらの治療でも改善がない場合は、当院では超音波ガイド下に腱鞘内へステロイド注射を行っております。
3回程度施行しても再発を繰り返す場合は手術が必要になることもあります。
ドケルバン病

手首の親指側に痛み・腫脹が生じます。親指の曲げ伸ばしや、手首を小指側に曲げこむことで痛みが出現します。

原因と病態
手首の親指側には短母指伸筋腱と長母指外転筋腱があり、これらを包み込むように腱鞘があります。
妊娠・出産・更年期などの女性に好発しますが、仕事やスポーツで手首の使い過ぎでも発症します。これらにより腱と腱鞘が炎症を起こし腫脹し、痛みが出現します。
診断
手首の親指側に痛みがあり、親指を握りこんで手首を小指側に倒すと痛みが出現する(エイヒホッフテスト)ことや、超音波検査で腱や腱鞘の腫脹や炎症を認めることで診断することができます。
予防と治療
軽度の場合、安静、装具の使用、物理療法、外用剤の使用などが有用です。これらの治療でも改善がない場合は、当院では超音波ガイド下に腱鞘内へステロイド注射を行っております。
3回程度施行しても再発を繰り返す場合は手術が必要になることもあります。
へバーデン結節

ヘバーデン結節は、指の変形性関節症です。特に、手指の遠位指節間関節(指の第一関節)に生じるのをへバーデン結節といい、近位指節間関節(指の第二関節)に生じるのをブシャール結節といいます。

原因と病態
原因は不明ですが、40歳代以降の女性に多く発症し、指をよく使う人に起こりやすいとされています。また、女性ホルモンの変調が関与していたり、肥満の人に多いとされていることから食生活が関与しているともいわれています。
指の第一関節が変性し、隆起が生じます。関節を動かしたり、圧迫したりすると痛みが生じることがあります。
診断
通常、症状や身体所見に基づいて比較的容易に診断されます。また、レントゲンでは指の第一関節に骨のとげ(骨棘)など軟骨の変性を確認し診断します。
予防と治療
基本的には、安静・テーピングが良いとされています。鎮痛薬の内服・外用や漢方薬、物理療法(温熱療法)が一般的に用いられます。痛みが強く腫脹・炎症が強い場合は、当院では超音波ガイド下に少量のステロイド注射を行い疼痛を改善させていきます。
また、保険適応外ではありますが、エクオールが一定の効果を示すともいわれています。
関節リウマチ

関節リウマチは、外敵から体を守る免疫の異常によって関節内に存在する滑膜という組織が異常増殖することで、関節内に慢性の炎症を生じる疾患です。痛みや腫脹を伴い進行すると関節が破壊され、様々な程度の機能障害を引き起こします。
関節症状に加えて貧血や微熱、全身倦怠感などの全身症状を合併することもあります。
女性が男性よりも4倍ほど多く、30~50歳が好発年齢です。しかし、近年65歳以上で発症する高齢発症関節リウマチも増えてきています。人口の0.5~1%が罹患していると言われています。

原因と病態
原因ははっきりと分かっていませんが、遺伝的な要因に、出産や喫煙、歯周病、感染症などの環境要因が重なり発症すると言われています。
関節は骨と骨の連結部で、その周りに関節包があり関節包の内側に滑膜があります。関節リウマチは、この滑膜に炎症が起こる疾患です。関節に痛み・腫脹を伴うだけでなく、炎症が持続していると関節の中の骨・軟骨や腱が破壊され関節の変形を認めるようになってしまいます。関節を変形させないためにも早期診断・早期治療が重要となっています。
診断
症状や身体所見、血液検査(CRP、リウマチ因子、抗CCP抗体など)、画像検査(X線、超音波検査、MRIなど)などを総合的に評価して行われます。
現在は、2010年に改訂された関節リウマチ分類基準を用いて診断するのが一般的です。分類基準を満たさない場合でも関節リウマチであることもあるので注意が必要です。当院では、早期診断に有用である超音波検査も併用して診断しております。
治療
関節リウマチの治療は、痛みを和らげる薬と、免疫異常を調整する抗リウマチ薬に分けられます。抗リウマチ薬の中でも、メトトレキサートという薬が基本の薬となっております。使用禁忌がなければ、まず最初にメトトレキサートを使用し、効果不十分なら徐々に増量していきます。それでも効果がない場合は、生物学的製剤やJAK阻害薬を使用・併用していきます。(当院では使用しておらず、これらの薬が必要な場合は近隣の専門医療機関へ紹介状を作成させていただいております)
また、リハビリテーションも重要で各種物理療法の機械での治療や、関節炎が落ち着いているときは関節を動かすようにして筋力や可動域を落とさないようにする必要があります。
キーンベック病

キーンベック病は、手首の骨の一つである月状骨に血液供給が不十分になり、骨組織が壊死する疾患です。
これにより、手首の運動や機能に影響が出ることがあります。

原因と病態
原因ははっきりとわかっていませんが、負傷や骨の異常な成長が関与していると考えられています。初期の段階では症状がわずかであり、手首の痛みや腫れが進行することがあります。
診断
診断には画像検査(レントゲン、MRIなど)が行われます。初期は、レントゲンでははっきりしないことが多くMRIでの診断となることが多いです。
予防と治療
治療法には、保存的治療(手首の固定、物理療法)から手術療法まで幅広いものがあります。
突き指

突き指は、指先の関節に1回の大きな外力が加わって損傷します。スポーツ外傷の中でも多く発症し、特にバスケットボールやバレーボールなどで発症します。指が強い衝撃や外力によって曲がったり、過度に伸ばされたりした際に発症します。
マレットフィンガーと言って、第一関節が手のひら側に曲がってしまったまま伸びなくなるものもあり、場合によっては手術が必要となります。

原因と病態
手指に大きな外力が加わり、手指の関節が正常の可動範囲を超えて曲がってしまい、靭帯・骨・腱に損傷をきたしてしまいます。発症後は受傷した関節に腫脹・疼痛が出現し関節を曲げることが困難となることもあります。
診断
病歴や身体所見にて病状を確認し、X線検査や超音波検査などの画像検査を行うことで正確に診断することができます。
突き指ではレントゲンで異常所見を認めることは少なく、当院では超音波検査を積極的に用いて靭帯や腱の損傷をはっきりさせ、治療方針を決定しております。
予防と治療
軽度の場合はテーピングやシーネ固定を使って関節を固定し、治療しています。また、安静や氷での冷却、抗炎症薬の使用なども症状の軽減に役立ちます。
三角線維軟骨複合体損傷

三角線維軟骨複合体(TFCC)は、手首の小指側に位置する重要な組織で手首の安定性や運動の支援に役立っています。三角線維軟骨複合体損傷は、手首の怪我や過度の負荷、反復的なストレスによって引き起こされます。

原因と病態
事故、転倒や繰り返しのスポーツによる負荷などで、手首に強い負荷がかかった際にTFCCが損傷することがあります。
手首の小指側に、手首の動きによって痛みが現れます。治療しても痛みが遷延化することもある疾患です。
診断
主に症状の詳細な評価と身体検査に基づいて行われます。手首の痛みや不安定感、機能障害を評価し、X線撮影や超音波検査、MRIなどの画像検査を行うこともあります。
予防と治療
痛みや症状の悪化を防ぐために、装具にて安静にしておくことが重要です。痛みが持続する場合は注射することもあります。
物理療法やリハビリテーションが行われることがあります。
橈骨遠位端骨折

橈骨遠位端骨折は、手首の骨の一つである橈骨の遠位端が骨折した状態を指します。

原因と病態
通常橈骨遠位端骨折は、転倒など急激な外力によって引き起こされます。若年者はスポーツ中の転倒や事故、高齢者は骨粗鬆症がベースにあり、ちょっとした外力により発症してしまいます。
診断
症状や身体所見の評価に加えて、レントゲン検査を行うことで確定されます。
予防と治療
骨折のずれが少ない場合は手術が必要ないことが多く、ギプス固定などの保存的治療を行います。ずれが大きい場合は、骨折のずれを整復しますが、いい位置に戻らない・戻ってもずれてしまう場合は手術が必要になる事もあります。
また、高齢者は骨粗鬆症が原因となっていることがあり、今後の骨折予防にも骨粗鬆症の検査・治療が重要です。
舟状骨骨折

舟状骨骨折は、手首の親指側に位置した舟状骨が骨折した状態を指します。

原因と病態
通常、転倒して手をついたり、交通事故やスポーツの負傷などの外力が加わったりしたときに発生します。舟状骨は血流の悪い骨であり、骨癒合がしにくかったり、骨壊死を起こしたりすることがあるので注意が必要です。
診断
レントゲン撮影を行うことで診断されます。ずれが少ない場合はレントゲンで診断することが困難であり、見逃されることが多い骨折なので、場合によりMRI検査を追加します。
予防と治療
軽度の舟状骨骨折では、親指の付け根を含めてギプス固定を行い、安静、アイシング、圧迫、挙上(RICE療法)などが行われます。
比較的固定期間が長く、関節拘縮や筋力低下を認めるようでしたらリハビリテーションを施行します。ずれが大きい場合は手術となる場合があります。
手根管症候群

手根管は手首の手のひら側にある骨と靭帯で形成されている管で、親指の動きを制御し親指~薬指までの感覚を担っている正中神経が通っています。
手根管症候群は、手根管内の圧力が増加し、正中神経に圧迫がかかることで、手の痛みやしびれ、知覚異常、母指の動かしにくさを引き起こすことがあります。

原因と病態
長時間のキーボードやマウスの使用、振動する機器の操作、または手を一定の位置で長時間保持する仕事など、手を反復的かつ過度に使用する活動が手根管症候群のリスク因子となります。
また、妊娠や出産に伴って発症することもあります。
診断
手根管症候群の診断は、主に症状や身体所見に基づいて行われますが、場合によっては画像検査(レントゲン、超音波、MRIなど)や神経伝導速度検査などが行われることもあります。
予防と治療
保存療法での治療が基本となります。安静(特に夜間装具)や服薬などを行い、それでも改善がみられなければ手根管内への注射を行う方法もあります。
保存療法で改善がみられず、筋力低下や日常生活に明らかな支障がある場合には手術を行うこともあります。
肘部管症候群

肘部管症候群は、尺骨神経が肘の組織や構造に圧迫されることで、手や指(薬指と小指)の痛み、しびれ、および筋力低下を引き起こします。

原因と病態
肘の怪我や骨折、肘の変形性関節症、または炎症性疾患(例:関節リウマチ)によって尺骨神経が圧迫されることがあります。症状として、手の薬指と小指にしびれや痛みが生じることがあります。症状が進むと指先の細かい動きが下手になり、手の筋肉がやせてきてしまいます。
診断
肘部管症候群の診断には、症状や身体所見を評価し、神経学的検査や画像検査(X線、MRIなど)を行います。
予防と治療
肘を曲げないように安静、物理療法、薬物療法、手首の固定などで保存的治療を行います。保存的な治療が効果的でない場合や手の使いにくさや筋力低下が進行している場合には、手術が必要となることがあります。
野球肘

野球肘は、主に投球を行う際に起こる肘の怪我や障害の総称です。野球やソフトボールなどの投球スポーツで頻繁に見られるため、この名称が使われています。野球肘には内側型・外側型・後方型の3種類があります。
頻度が高いのは内側型ですが、しっかり投球制限をすれば治癒します。
それに対して、外側型は頻度が多くないものの適切な診断・治療がされないと投球どころか日常生活にも支障をきたすようになります。

原因と病態
野球肘の主な原因は、投球時の反復的な運動や過度のストレスによる肘の負担です。主な病態として、投球時には肘が外側に曲げられるような負荷がかかるため、内側側副靭帯の損傷や、内側の骨に骨棘(骨の突起)の形成、肘の外側に関節軟骨損傷をきたしてしまいます。
診断
通常、病歴や身体所見と、X線検査や超音波検査・CT・MRI検査などの画像検査を行っていきます。
予防と治療
内側型や後方型の場合痛みが強い場合には、まずは安静にすることが基本になります。運動療法では、ストレッチや筋力強化、投球フォームのチェックなどを行い、再発の予防に努めていきます。
外側型野球肘で重度の場合には、手術が必要になることもあります。
上腕骨外側上顆炎(テニス肘)

上腕骨外側上顆炎は、一般的にはテニス肘として知られています。これは、上腕骨の外側上顆(肘の骨の突起部分)の腱や筋肉の炎症や損傷を指します。

原因と病態
テニス肘は、テニスをプレイする際の動作や、他のスポーツや活動での反復的な腕の動きが原因となりますが、テニスをしていない人でも発症することがあります。特に手首を伸ばす動作や、手を握る動作、重い物を持ち上げる動作などの際に痛みが増すことがあります。
診断
症状や身体所見を評価し、X線やMRIなどの画像検査が行われます。
予防と治療
保存的な治療法(安静、氷や温熱療法、物理療法、ストレッチ、ブレースの使用)や薬物療法(非ステロイド性抗炎症薬など)、手術的な治療法(テニス肘手術)があります。
肘内障

子供(0~6歳に多い)が手を引っ張られたときなどに生じます。肘のけがですが、肩が抜けたような感覚になる場合もあり、肘内障を発症したほうの上肢全体を使わなくなります。

原因と病態
橈骨という骨の肘側の部分を橈骨頭といい、その周りにある靭帯や筋肉(輪状靭帯や回外筋)が橈骨頭からずれた状態となり発症します。発症すると腕を下げたまま動かそうとせず、動かそうとすると痛がります。
診断
症状や身体所見を評価し診断します。親が見ていないところで発症することもあり、骨折との鑑別が重要となってきます。肘内障は、レントゲンでは明らかな異常は認めず、当院では超音波を用いて診断しています。超音波では、骨折・肘内障それぞれ特徴的な所見があり鑑別に有用です。
予防と治療
適切な整復が行われれば、予後は良好です。また、ここでも超音波が利用され整復されたことをその場で確認することができ有用です。
上腕骨顆上骨折

上腕骨は、肩関節と肘関節をつなぐ長い骨であり、上腕骨顆上骨折は上腕骨の肘側が骨折した状態を指します。小さな子供の場合、肘が伸びきった状態で手をついて転倒した際に発症し、小児の骨折でも頻度が高い疾患です。
大人では、高いところからの転落やスポーツでの外傷で発症し、高齢者の場合は骨粗鬆症がベースにあると、ちょっとした転倒で骨折することもあります。

原因と病態
転倒や事故、スポーツの怪我など、直接的な外傷が原因となることがあります。特に、転倒時に肘を伸ばしきった状態で手をつくことによって、上腕骨の肘側に強い衝撃が加わることで骨折が発症します。
診断
上腕骨顆上骨折の診断には、X線検査が主に使用されます。小児の場合肘内障と鑑別するのに超音波検査も有用です。
予防と治療
軽度の骨折やずれがない場合は、シーネ固定などをして安静にします。骨折が複雑でずれが大きい場合は手術が必要となることがあります。また、ずれが大きい場合には血流が悪くなり、前腕より遠位の筋肉が拘縮してしまうフォルクマン拘縮を起こしたり、内反肘といって変形治癒してしまったり、神経障害を併発したりすることもあるので注意が必要な骨折でもあります。
肘関節脱臼

肘関節脱臼は、肘の骨が正常な位置から外れることを指します。

原因と病態
外力が肘に加わった結果、肘の関節面が分離することで起こります。肘関節脱臼は、交通事故、スポーツの怪我、転倒などの外傷によって引き起こされます。
診断
X線検査を行って脱臼を確認し、必要に応じて骨折や軟部組織の損傷を評価します。
予防と治療
肘関節脱臼は、救急医療の対象となる重篤な怪我です。脱臼が発生した場合、早期に整復が必要です。
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