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ホルモンという言葉をご存じの方は思いますが、実際にホルモンがどのような働きをしているかは知らない方もいらっしゃるのではないでしょうか。ホルモンは身体の様々な働きを調節していて、身体の代謝や睡眠、男性あるいは女性特有の機能もコントロールしています。ここでは、皆様の健康に大きく関わる代表的ないくつかのホルモンについてご紹介させていただきたいと思います。
レプチンは身体の脂肪細胞から分泌され、食欲を抑えてエネルギー消費を促すといった作用があります。レプチンの作用が低下してしまうと食欲を抑える効果が低下してしまい、たくさん食べてしまうといった行動に繋がってしまうかもしれません。レプチンとは対照的に、空腹時に食欲を増幅させるグレリンというホルモンがあります。このホルモンは、睡眠時間が短くなると過剰に分泌されやすいという特性を持っています。夜更かししているときに、やたらとお腹が空くといった経験がある方も少なくないかもしれませんが、その食欲増加はグレリンというホルモンによる影響が大きいと考えられます。
テストステロンは代表的な男性ホルモンの1種で、筋肉量を増やしたり、中性脂肪を減らしたりと若々しさをキープするために必要なホルモンです。また、仕事や恋愛にあまり積極的になれないといった方は、テストステロンの分泌が少なくなっているかもしれません。
エストロゲンは、女性の身体を妊娠に向けて準備する働きがあります。このホルモンには、お肌の調子を整えたり、女性らしい体型を維持したりといった作用があります。ただ、更年期を迎えてエストロゲンの分泌が減少すると、骨密度が低下したり、内臓脂肪がつきやすくなったり、動脈硬化が進みやすくなったりします。このエストロゲンの低下は年齢とともに誰にでも生じるものなので、身体のためには40代から運動する習慣を身に着けておくと良いでしょう。
デヒドロエピアンドロステロンは、若返りのカギを握るホルモンとして注目されています。このホルモンは、テストステロンやエストロゲンなどを作る原料となり、別名で「ホルモンの母」とも呼ばれています。その他にも、免疫力を高める効果や抗酸化作用などが期待されており、若返りのカギを握るホルモンとも考えられています。
ただ、このホルモンは20代で分泌量がピークとなり、40代になると分泌量が約半分になってしまいます。このホルモンの分泌量を増やすためには、有酸素運動を行ったり、あるいはストレスをため過ぎないようにしたりすることが大切になります。食事で分泌量を増やしたい場合には、山芋や納豆など精のつく食べ物をとるようにすると良いでしょう。また、十分な睡眠をとることも重要になってきます。
アディポネクチンは脂肪細胞から分泌され、動脈硬化を予防したり改善したりする働きがあります。そのため、脳血管障害や心疾患のリスクを下げる効果も期待できます。また、胃がん細胞の成長を抑制することもわかってきています。さらに、このホルモンは糖質やコレステロールの代謝にも関係していて、メタボリックシンドロームの改善にも役立ちます。
有酸素運動などの適度な運動や、青魚やごぼう、大豆製品などを摂取することでアディポネクチンの濃度を高めることが期待できます。また、適量のアルコールであればアディポネクチンの分泌量が増える可能性がありますが、飲みすぎてしまうと逆にアディポネクチンを減少させてしまう要因となってしまうかもしれないので、注意が必要です。
セロトニンは幸せホルモンと呼ばれ、精神状態や睡眠のリズムを安定させる作用があります。このホルモンが減ってしまうといわゆる「うつ状態」になってしまい、その状態が続くと「うつ病」なってしまいます。このセロトニンは光を浴びると分泌量が増えることが分かっているため、朝おきてすぐに日光を浴びることが重要だと考えられています。
また、セロトニンは睡眠ホルモンと呼ばれるメラトニンの材料となるため、朝にしっかりとセロトニンを分泌しておくことで夜の睡眠の質も良くなります。反対に、夜に光を浴びすぎるとメラトニンの分泌量が減ってしまうため、寝る直前までテレビやスマホをみるのは避けるようにしましょう。
・ラベンダー:セロトニンの分泌を促し、ストレス軽減や安眠効果が期待できます。
・イランイラン、ローズオットー、ネロリ:女性ホルモンのバランスを整えてくれる効果が期待できます。
・ペパーミント、レモン:交感神経系ホルモンをリフレッシュする効果が期待できます。
アロマオイルをティッシュやハンカチに1滴たらして置いておくか、アロマディフューザーのようなものを使ってみるもの良いでしょう。
ホルモンとは、若さや身体あるいは心の状態をコントロールするなど、張り合いのある人生を送るためにはかかせないものです。ホルモンを味方につけることが、みなさんが生き生きとした人生を送るためのカギだと言っても過言ではありません。普段から質の良い睡眠やバランスの良い食事を心がけて、ホルモンバランスを整えるように心がけましょう。
横山医院 理学療法士 藤平 真二