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子供に多いとされている肘の骨折です。転んで手を付く時、鉄棒から落ちた時に受傷してしまうと多いと言われています。子供に多い理由としては、子供は成長段階で骨が出来上がっていないことが多く、強い力がかかると比較的簡単に折れてしまうからです。また、高齢者では骨粗鬆症を患わっている方々も受傷してしまうリスクが高いと言われています。
多くの場合、強い力がかかったまま肘を反りかえることで原因とされています。子供に多いとされているのは、活発に動くにかかわらず運動能力が完全に備わっていることが少ない、子どもの上腕骨顆上部は表面の骨皮質が薄い、断面積が小さいなどが基盤としてあったうえで、強い力がかかると骨折しやすいと言われています。
肘周囲に激しい痛みと腫れ、骨変形があります。また、場合によっては骨折片の転位により神経や血管が損傷され、麻痺や痺れなどを生じることもあります。
問診と画像診断を行います。問診では「いつどのように受傷したか」「肘の部分に腫れやあざはあるか」など詳しく診察を兼ねながら行います。画像診断はレントゲンで行いますが、子供の場合は他の肘関節の疾患と区別が難しい場合があるので、超音波検査もあわせて実施することがあります。
転位(骨折部にズレ)が少ない場合は、主に保存療法で行っていきます。保存療法ではギプスやシーネなどを用いて、手首から肘まで数週間~1カ月ほど固定します。転位が大きい場合には手術療法を行います。転位した骨を正しい位置に整復し、骨を固定するために鋼線を皮膚や骨に入れる手術が一般的です。受傷した際に、損傷が激しい場合、神経や血管が損傷され壊死してしまう事もあるため早急な手術が必要となるケースもあります。
保存療法の場合、はじめは固定されている部位に近隣する関節の訓練を行っていきます。骨折部の固定により指や肩関節を動かす事が必然と減少してしまい、廃用を生じやすくなってしまうこともあります。固定が外れた場合や手術後は、基本的には肘関節・手関節を徐々に動かす訓練から行っていきます。可動域を上げていきながら少しずつ重りをつけたりとして負荷を上げていくことで筋力訓練を行っていきます。