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後脛骨筋炎

【概要】

ランニングやジャンプ、ウォーキング、長時間の立ち仕事などで過剰に「後脛骨筋」に負担がかかることで、内くるぶしの下辺りが痛む疾患です。陸上競技やバスケットボールなどのスポーツを行っている学生に多く、軽度のものは後脛骨筋の炎症で済みますが、重度のものは断裂する例もあります。後脛骨筋は「ふくらはぎ~内くるぶしの後ろ~土踏まず」まで通る足の筋肉で、着地する度に土踏まずが潰されるのをサポートし身体への衝撃を和らげる働きをしている非常に働きものの筋肉なのです。

 

ランニング

 

【原因】

常に土踏まずの機能を保ち衝撃吸収をしていることから、やはり「体重のかけ過ぎ」が主な原因となります。体重増加・長時間の立ち仕事・繰り返しのジャンプ・ランニングなどは要注意です。「同じ練習・同じ仕事しているのになぜ私だけ?」と思われる方もると思いますが、それは足の形や動き方に違いがある場合が多いです。足が元々内側に倒れやすい回内足(偏平足)であると、より後脛骨筋に負担がかかる為、疼痛を発症しやすいと言われています。足を後ろから見て足趾がたくさん見える場合(too many toes sign)は後脛骨筋の機能不全が考えられ、疼痛発症の可能性高いので注意してください。

 

【治療とリハビリテーション】

痛みや腫れが強ければ、まずは運動を制限してアイシングを行います。しかし、根本原因である回内足(偏平足)・体重・長時間の立ち仕事・繰り返しのジャンプ・ランニングが改善されなければ疼痛を繰り返すことは容易に想像がつくでしょう。そうならない為にも、土踏まずをサポートするインソール・テーピング・ソックスなどを使用した上で動作の改善を行い、仕事量・練習量の調整を行い、ふくらはぎや足裏のストレッチ・筋力強化・減量などを行うといった対応が必要です。断裂してしまった場合は手術療法が適応になります。

 

インソール(フォームソティックス)

 

同じように内くるぶしの内側が痛くなる疾患に「有痛性外脛骨障害」というものがあります。これは舟状骨という骨の内側に過剰骨(普通は無い余分な骨)があり、それが原因で痛みが出る疾患です。舟状骨は後脛骨筋が付着している骨でもあり、土踏まずを形成している骨でもあるので、有痛性外脛骨障害・回内足(偏平足)・後脛骨筋炎は合併しやすい疾患になります。一人で悩まずに医療機関でレントゲン検査をして原因の把握&治療を行い、有意義なスポーツライフ&仕事ライフを送りましょう。

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