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拘縮とは「関節が固まって動かなくなる状態」の事を言います。手術やケガ・痛み・同じ姿勢の繰り返しで、筋肉・靭帯・関節包・皮膚が傷つき硬くなります。膝関節拘縮の場合「伸びない・曲がらない」の2種類が考えられます。膝が伸びない、曲がらないとどのような問題が起きるのでしょうか?
膝が曲がらないことを「屈曲制限がある」と言います。屈曲制限で良く見られるのは「正座が出来ない・しゃがめない」といった症状です。更にひどくなると「座れない・立てない」といった状態になります。試しに膝を伸ばしたまま立ったり座ったりしてみて下さい。普段気にしていないかもしれませんが、膝が曲がらないと日常生活にとても不便を生じます。膝が曲がり切らないとしゃがんで草むしりも出来ないし、床から立ち上がることも出来ません。しゃがめない代わりに腰を曲げて床の物を取ったり、腕で引っ張って立ち上がってみたりしているうちに腰や肩を痛めてしまうこともあります。
膝が伸びないことを「伸展制限がある」と言います。伸展制限で良く見られるのは「足を伸ばして座れない・足を伸ばして立てない」といった症状です。はじめは多少伸びなくても気にならないかもしれませんが、膝の痛みが出てきて気付いたら膝が伸びなくなっていたということも多いです。膝が伸びずに曲げたまま歩いていると、疲れやすくなったり、膝が痛くなったりします。また腰が曲がってきて腰痛になったり、背中が丸まって肩こり・首痛につながる場合もあります。試しに膝を曲げたまま歩いて買い物に出かけてみて下さい。辛さがわかると思います。
「膝が伸びない・曲がらない」状態で日常生活を送ることが、どれだけ大変な事かおわかり頂けたでしょうか?拘縮があると日常的な動きだけでなく、局所の筋肉・神経・血管などの動きも制限される為に痛み・疲労が持続する場合があります。また膝の拘縮に関わらず、肩関節・股関節・足関節などどこかが動かなくなると別のどこかで補うため、頑張り過ぎた場所に痛みや疲労が出てきたりもします。「最近疲れる」のは体力のせいなのか?膝を曲げて歩いているからなのか?拘縮は可能な限り無い状態に保ちたいものです。
拘縮の無い状態を保つためには、日頃からヨガやピラティスなど自分の力を使って全身を動かす運動が理想的です。しかし、ケガの後や手術の後などは「早期」に拘縮を改善する必要があるので、医療機関でリハビリをしっかり行いましょう。経過が長くなればなるほど拘縮は改善し難くなります。また、「ストレッチをすると逆に体が痛くなる」という方はやり方が間違っているかもしれません。
お困りのことがありましたら一度受診してご相談下さい。