医院ブログ
Blog
Blog
側弯症は脊柱(背骨)が左右に曲がる疾患です。高齢者に多い「腰椎変性側弯症」と思春期の女子に多い「思春期特発性側弯症」の2つに大別されますが、多くは筋力の低下や生活習慣からくる「機能的側弯」が合併しています。
加齢に伴って椎間板・椎間関節・椎体など背骨が変性する疾患です。腰の骨が左右どちらかの後ろに出っ張り、身体が横に傾いて、前かがみで歩く姿勢が特徴的です。症状が進行すると、腰の痛み・下肢の痺れ・疼痛やバランス不良に伴う動作困難などが生じ日常生活に支障が生じます。治療法は内服・ブロック注射などで疼痛を抑えつつ、身体の傾きが強くならないように筋力強化・コルセット使用などを行います。変性や痺れが強い場合は手術療法も検討されます。
学校検診により指摘されることが多い「思春期特発性側弯症」は、多くが胸椎(胸の骨)の左カーブ(右凸)と腰椎(腰の骨)の右カーブ(左凸)をメインとし、肋骨が右後ろに出っ張った形(lib hump)をとります(逆カーブの事もあり)。原因は未だ不明ですが遺伝子的要素が強いと言われており、小学生~中学生の成長期に発症することが多く、自覚症状も無く、洋服で隠れていることから見逃されがちな疾患です。定義としては10°以上を「特発性側弯症」と言いますが、10°以下でも背骨の「カーブと回旋(lib hunp)」がみられる場合は、レントゲンにて経過観察が必要です。20°~40°まではコルセット、40°以上は手術療法が検討されます。
「いつも左に寄りかかってテレビを見ている・身体を傾けた姿勢でずっと仕事をしている・同じスポーツ動作を繰り返している・足の痛みがあって片方に体重をかけないで歩いていた」など、背骨の状態にかかわらず「偏った同じ動作の繰り返し」で背骨が傾くことがあります。これは、自分の感覚が「曲がっていることが正常」と勘違いすることによっておこる症状で、正中感覚の修正と筋肉の柔軟性・安定性を改善すれば元に戻ります。修正せずに繰り返していると「変性側弯症」のように骨に異常が出て、気が付いた時には戻らなくなってしまいます。また、「特発性側弯症」の場合も「曲がっていることが正常」の為、そのままでいると筋肉と感覚の問題により余計に曲がっていく可能性があります。それを防ぐ為に「筋肉の柔軟性と安定性向上・コルセットの使用・正中感覚の修正」が重要になってきます。なかなか自分だけでは修正困難ですので、「鏡やストレッチポールなどの道具を使う・家族にみてもらう」などしながら少しずつ修正してみてください。自分がどのように曲がっているかの正確な把握は、整形外科へご相談ください。