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変形性股関節症とは、股関節にある関節の軟骨がすり減ってしまい、関節が狭くなってしまうことでさまざまな症状を引き起こす病気です。変形性股関節症には一次性股関節症と二次性股関節症とがあり、一次性股関節症は原因が明らかになっていないものを言います。ただし、大腿骨頭すべり症や臼蓋形成不全といったもともとの股関節の問題によるものも多いとされています。二次性股関節症では、先天性股関節脱臼や臼蓋形成不全などが原因で発症するものを言います。この二次性股関節症は、日本では女性に多いとされています。
主な症状としては股関節の痛み、硬さ、筋力の低下などで、重度になると歩行障害などを生じ、日常生活に支障をきたすようになります。
変形性股関節症は程度によって症状が大きく異なってきます。レントゲン検査により、変形性股関節症の重症度は以下のように分類されます。
変形性股関節症になってしまう原因や病状が進行してしまう要因として、人種や性別、肥満や遺伝などが考えられています。また、環境要因としては重労働や激しい運動習慣などで股関節に負担がかかり、関節の摩耗や炎症が生じてしまう可能性があります。変形性股関節症になってしまう原因の1つに臼蓋形成不全がありますが、これは大腿骨に対して骨盤の被り方が浅くなってしまっているものです。変形性股関節症の予防や進行を抑えるには、骨盤が被っている面積を大きくして股関節にかかる圧を分散させる必要があります。
治療には保存療法と手術療法があり、保存療法では杖を使用したり、体重を管理したりすることで股関節にかかる負担軽減を図っていきます。また、リハビリテーションでは硬くなった股関節の可動域訓練や股関節周囲筋の筋力トレーニングなどを行い、股関節の安定性を高めるように努めます。股関節周囲の筋力が低下してしまうと骨盤を水平に保つことが難しくなり、変形性股関節症の進行を早めてしまう可能性が高くなってしまいます。
手術療法では、骨盤の骨を移動させて大腿骨の被り方を大きくする「骨切り術」や、「人工股関節置換術」などを行うことで股関節の痛みの改善や可動域の改善を図っていきます。ただし、人工股関節置換術に関しては寿命が約20年と言われているため、あまり年齢を考えずに行ってしまうと再手術が必要になってしまうかもしれないので、年齢を考慮して手術方法も選択することになります。