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突き指(マレット指)

【概要】

突き指とは、指の先端でボールや壁などと衝突することで起こる怪我の総称を言います。放っておいても自然治癒することもありますが、なかには靱帯損傷や腱損傷、あるいは骨端線損傷などが生じていることもあり、場合によっては手術が必要なケースもあります。

 

マレット指と呼ばれる状態になることもあり、指の第一関節が木槌のように曲がってしまいます。マレット指には、腱性マレット指と骨性マレット指の2つのタイプがあります。

 

マレット指のイラスト

 

・腱性マレット指

指を伸ばす腱が断裂していて、指を伸ばすことが難しくなります。

加齢からくる腱質の変化によるものと考えられていて、中年以降に多くみられます。

 

・骨性マレット指

指を伸ばす腱が付着している骨が剥離骨折を生じたものです。

 

【原因】

皆様も経験があるかと思いますが、ボールを取りそこなったときや、物や壁などに指先を勢いよくぶつけてしまったときなどに生じます。

 

突き指をしてしまった男性のイラスト

 

【症状】

指先の痛みや腫れなどの症状があり、指先の第一関節は曲がったままで、自分の力で伸ばすことができなくなります。ただ、手伝いながらであれば伸ばすことは可能です。また、マレット指を治療せず放置していると、第二関節の過度な伸展を伴うスワンネック変形が生じることもあります。

 

【診断】

レントゲン画像診断による骨状態のチェック、腱損傷や靱帯損傷の有無をみるためのエコー診断などを行います。マレット指の種類や程度によっては治療方針が変わることもありますので、腱性マレット指か骨性マレット指かの判別が重要になります。

 

【治療】

腱性マレット指では保存療法が基本になります。装具を用いて、第一関節を伸ばした状態で6~8週間ほど固定します。ただ、受傷してから時間が経ってしまっている場合には保存療法での回復が見込めないことがあり、その場合には手術により腱を形成することもあります。

 

骨性マレット指では、骨折部に鋼線を2~3本刺して骨を固定する手術を行います。局所麻酔で皮膚の上から鋼線を穿刺するだけなので、身体の負担を少なく行えます。術後の経過は良好なことが多く、骨癒合が得られてリハビリテーションをしっかり行えば指を伸ばす力や動きは改善してきます。

 

【リハビリテーション】

マレット指では、治療で指の第一関節を固定するために硬さや筋力低下が生じてしまいます。そのため、もとの指の機能改善を図るためにリハビリテーションを行います。ただ、あまり急に無理な力を加えてしまうとせっかく修復した腱がまた損傷してしまうリスクがあるので、徐々に動かしていく必要があります。

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