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脈拍から考える健康指標│脈拍変動の原因や数値基準について

【はじめに】

近年、健康を意識する方々が増えてきており、食事や運動に関して色々な情報を簡単に得られる時代になってきています。内科的な部分でいえば血圧・血糖値・コレステロールなどを気にされている方々も多いかと思いますが、脈拍に関して意識されている方は少ないように思います。

 

心臓の拍動のイラスト

 

実は脈拍数が高いと突然死や心不全、心筋梗塞などのリスクも高まると言われています。脈拍数は健康指標として立派なパラメーターになりますので、今回は脈拍に関して少しお伝えできればと思います。

 

【脈拍とは】

脈拍とは「各部血管が1分間に拍動する回数」を差します。一般的に言われている脈拍数の他に心拍数という言葉もあり、心拍数とは「心臓が1分間に打つ回数」の事をいいます。心臓の拍動1回分が体の隅々まで脈拍として伝わるため、「心拍数=脈拍数」ということになります。

 

脈の測定のイラスト

 

ただ、不整脈があると心臓の拍動が末梢血管に伝わらりにくくなってしまいます。不規則に拍動する事で脈が跳んだりする事があるので、その場合は「心拍数=脈拍数」にはなりません。しかし、毎日脈拍数を測定して自分の標準を把握する事で、脈拍数をご自身のパロメーターとして利用することが出来ます。

 

【脈拍と運動強度】

安静時の脈拍数は、一般的に50-80回/分となっています。運動した後は運動強度と平行して脈拍数も上がり、運動時の脈拍数は安静時脈拍数から40-60%増を有酸素運動の目安として、安静時より60-80%増で無酸素運動及び筋力訓練の目安で行います。それ以上は運動強度が強いと言われていて、ほとんど提案することはありません。

 

ジョギングをしている女性のイラスト

 

また運動時の目安をインターネットで調べることもあるかと思いですが、リスク管理として本当に大事なのは運動後の脈拍です。運動後の脈拍の低下に関しては、一般的には10-12拍/分以内と言われています。それ以上の急激な低下がみられる場合は、心臓への負担が大きくなっている状態です。また心疾患の既往を持つ方は脈拍が高い状態が運動後も長く続くため、心臓の負担が大きくなり心不全・心筋梗塞のリスクが高まると言われています。そのため、運動後のクールダウンの目安として3分ほどで元の脈拍に戻る程度の運動量に設定してください。

 

【安静時の脈拍が高くなる原因】

正常な人でも呼吸や環境あるいは気分の変化などにより脈拍は安静時より高い状態になることがあり、安静時心拍数が高いと将来的に心疾患系のリスクが高まると言われています。具体的には安静時70拍の方と安静時90拍の方とでは、1.25倍も心疾患系のリスクが上がると言われています。脈拍が安静時よりも高くなる原因として、以下のような原因が考えられます。

 

1.発熱・外傷・感染

何かしらの炎症が起きた場合、体が炎症を改善しようと心拍数が速くなります。

2.心因性(ストレス・恐怖・不安・痛みなど)

何かしらの心因性により自立神経の乱れが起きてしまい、交感神経が優位に働くことで心拍数が速くなります。

3.貧血

血液が薄まることでより多く血液を送り出す必要に迫られ、結果的に心拍数が速くなります。

4.呼吸器疾患

呼吸器官が悪いと1回の換気量での酸素供給力が低いため、脈拍を早くすることで酸素を多く供給する代償を行います。

5.心疾患、手術後

心疾患や手術後では一時的に心機能が衰えて心臓の拍動弱くなるため、脈拍数を速くすることで代償を行います。

6.甲状腺機能亢進症

甲状腺機能が亢進して過剰に甲状腺ホルモンが分泌されることにより、交感神経が優位に働き心拍数が速くなります。

 

ここまで脈拍について述べてきましたが、過度に不安を感じてしまうと心因性により脈拍が上がってしまうことがあるので、過度に気にしない事をおすすめいたします。今後も心臓に関する内容を適宜ブログにあげていけたらと思いますのでよろしくお願い致します。

 

横山医院 理学療法士  小林 将之

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