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骨折・捻挫後に使用する松葉杖の免荷・調整・使い方について

【はじめに】

骨折や捻挫(靭帯損傷)をして松葉杖を使用する事になったけれど、「どうやって使ったら良いかわからない」「本当にこれであっているのか」と思われたことがある方は少なくないかと思います。基本的には受診した医療機関にて使用方法を指導されるはずですが、その指導方法はまちまちです。そこで、今回は松葉杖の使用方法でお困りの方へ基本的なポイントをお伝えします。ちなみに骨折や捻挫(靭帯損傷)などの診断は、超音波(エコー)検査をしているお近くの整形外科受診をお勧めします。

 

【松葉杖とは】

松葉杖とは、体重を怪我や骨折をしたときに、足にかかる体重の調節を行うものです。そして、松葉杖を使う目的は「ケガを悪化させない為、体重を乗せ過ぎないようにする事」と「ケガした足を早く元のような強さに戻す為、適度に体重を乗せる事」です。そのため、ケガの程度によって使用方法が変わってきます。詳細は必ず担当の医師又は医療機関スタッフに確認してください。

 

松葉杖のイラスト

 

【松葉杖と免荷】

非荷重:全く体重を乗せてはいけない状態 松葉杖両側使用必須

1/3荷重:体重の1/3の荷重が可能な状態 松葉杖両側使用必須

1/2荷重:体重の1/2の荷重が可能な状態 松葉杖両側使用必須

2/3荷重:体重の2/3の荷重が可能な状態 松葉杖片側使用可能

全荷重:片脚で体重全てを支えて良い状態 松葉杖必要なし

 

※注意:繰り返しになりますが、実際にどの程度足を着いて良いかは、必ず受診した医療機関の医師・スタッフへご確認下さい。

 

【松葉杖のサイズ調整】

松葉杖の全長を選ぶ目安は「身長-40㎝」と言われています。先ずは身長を目安に大体のサイズを合わせた後、つま先から前に約15㎝、そこから外側に15㎝位置に杖先を置き、脇に挟んだ時に脇下から約5㎝程度の間隔が空くように調整します。これが基本的な高さ調整です。しかし、実際にはこれでは「高すぎて不安定」と言う場合も多い為、微調整を加える場合もあります。

 

全長が決まったら持ち手(グリップ)の調整です。持ち手の位置は大腿骨の大転子の高さ(腿の骨の外側に出っ張っているところ)を基準し、実際に握った時に肘が約30°程度曲がる様に調整します。

 

基本的には松葉杖を貸し出す医療機関のスタッフが調整します。理由があってその高さになっている事がありますので、自分の判断だけで調整はしないようにしましょう。「使いにくい」「ちょっと不安定で怖い」などと思う場合は、やんわりと「高さ調整は可能でしょうか」と確認してみて下さい。

 

【松葉杖の使い方】

腕と肋骨で杖を挟み、掌の付け根を持ち手(グリップ)に乗せるようにして握ります。脇を杖に乗せて体重を支えるのではなく、持ち手に体重を乗せて支えるのがポイントです。杖に脇を乗せてもたれかかると、神経を圧迫して痺れが出る原因となるので注意しましょう。また、脇の締めが緩いと杖が外れて転倒の危険があるので、この「脇で杖を挟む」練習が松葉杖使用時の重要なポイントとなります。

 

脇から杖が抜けないように杖先を身体のやや前方に着いたら、持ち手に体重を乗せて握ります。杖2本と身体で逆三角形を作るようにして、杖と良い方の足でしっかりと支えるのがポイントです。

 

【松葉杖使用時の歩き方】

「脇から杖が抜けないこと」「持ち手に体重を乗せて握り、杖と身体が安定していること」に注意しながら、医師・医療機関スタッフから指示が出ている範囲で荷重しながら歩きます。順番は「杖→ケガした足→良い足」の順です。松葉杖片側使用の場合は、ケガした足と反対側に杖を着き、体重が杖に分散するようにします。昔のドラマでは、ケガした足と同じ側に杖を着いている事が多かったですが、特別な理由がない限りそれは間違いです。

 

リハビリをしている女性のイラスト

 

【松葉杖使用時の階段昇降】

平地が安定て行える様になったら、次は段差・階段昇降の練習を行います。「杖と悪い足は身体の下」が基本になります。昔は「行は良い良い、帰りは怖い」と覚えました。上りは「良い足から上がり、次に杖とケガした足を同時に上げる」、下りは「杖→ケガした足から下ろし、次に良い足を下ろす」と言う順番になります。階段昇降はとても不安定になるため、無理をせずに手すりを使用したり、お尻を着いて移動したりするなど安全第一で行いましょう。

 

骨折・捻挫(靭帯損傷)後の松葉杖サイズ調整と使い方のポイントについてお話しました。主治医の説明の内容を良く確認し、安全かつ効果的に松葉杖を使用していただくことで早く回復されることを願っております。

 

横山医院

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