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健康的にやせるための栄養学│糖質オフとタンパク質について

やせるためには、『筋肉』がとても大切であるということはご存知でしょうか。健康的にやせるには、きれいにやせて太りにくい体を作ることが必要になります。ここでは、きれいにやせるための栄養学の知識や食事についてご紹介します。

 

【糖質オフのメカニズム】

まずは糖質オフでやせるしくみについてです。糖質をとるとブドウ糖が血液中に増え、血糖値が上がります。するとすい臓からインスリン=「肥満ホルモン」が分泌されて、糖を肝臓や筋肉にとり込みます。ここですべての糖をエネルギーとして消費すればよいのですが、たいていは余ってしまい、中性脂肪として脂肪細胞にため込まれることになります。

 

反対に糖質オフの食事では血糖値が上がらず、インスリンも分泌されません。食べ物からエネルギーとなるブドウ糖が得られなくなると、体の脂肪を分解して「ケトン体」という物質が作られます。これを糖の代わりにエネルギーとして使うので、脂肪は減り、糖質オフだけでやせるのです。

 

(memo)

糖質といえば砂糖の入ったスイーツがイメージしやすいと思いますが、糖質の高い食品は甘いものだけでなく、一般的に主食とされているごはん、パン、めん類などもそうです。これらは炭水化物とも呼ばれていますが、糖質とは炭水化物から食物繊維を引いたものをさします。また、ヘルシーとされているフルーツも糖質が高く、野菜にも糖質が高いものがあります。

 

炭水化物のイラスト

 

 

そして、やせるためにはまず食事の糖質をオフにする必要があります。では、どのようなものを食べたら糖質を減らすことができるのでしょうか。以下に糖質の少ない食材と多い食材を記載しておきますので、興味があればご参考にしてみてください。

 

〈糖質オフ食材>

・肉類(牛肉、豚肉、ラム肉など)

・肉加工品(ハム、ベーコン、ウィンナーソーセージなど)

・乳製品(牛乳、チーズ、ヨーグルトなど)

・野菜類(いも類、かぼちゃ、根菜以外)

・魚介類(さんま、しらす、あさりなど)

・海藻(のり、こんぶ、わかめ、めかぶなど)

・種実類(ナッツ類、ごま、松の実)

・きのこ(えのき、しめじ、えりんぎ)

・こんにゃく、しらたき

・大豆、大豆加工品(とうふ、厚揚げ、油揚げ、納豆など)

・嗜好飲料(コーヒー、紅茶、ウィスキー、焼酎、ウォッカ、ジン、ラムなど)

 

<糖質たっぷり食材>

・ごはん、めん類、パスタ、パン、シリアル

・スナックや甘いお菓子全般(ポテトチップ、チョコレートなど)

・ドライフルーツ

・小麦粉、小麦粉を含む加工品

・市販の野菜ジュース、フルーツジュース

・人工甘味料の入った飲料

 

【たんぱく質の役割とは】

たんぱく質が筋肉や皮膚など体の組織を構成していることはよく知られています。しかし、たんぱく質の働きはそれだけではありません。人間の体には約10万種類のたんぱく質が存在し、さまざまな場所で働いています。例えば血液や細胞、ホルモンなどの分泌液、消化酵素など体の機能を維持するための物質もたんぱく質から作られています。また、たんぱく質には1gあたり約4kcalの熱量があり、これを燃やして活動のためのエネルギー源にしています。

 

たんぱく質は体の至るところで多様な役割を担っていて、不足すると様々な影響が出てきます。例えばむくみですが、これはアルブミンというたんぱく質が不足することが原因で細胞の間にある水分が異常に増えてしまった状態をいいます。また、脳内で気分にかかわっている神経伝達物質もたんぱく質からできており、不足するとうつや睡眠障害などの不調が出てきます。

 

【たんぱく質の効果的な摂取方法】

1.動物性たんぱく質と植物性たんぱく質をバランスよく取り入れる

たんぱく質には肉や魚あるいは乳製品といった動物性と、大豆製品などの植物性があります。いずれも優秀なたんぱく質であり、含まれているアミノ酸の種類がそれぞれ異なるため、双方をバランスよくとり入れることが大事です。

 

タンパク質のイラスト

 

2.1日3回に分けてたんぱく質を取り入れる

1日のたんぱく質必要摂取量は60gが目安です。その場合、1日3食、20gずつとることがおすすめです。肉や魚100gで摂取できるたんぱく質量が約20gです。これならば、筋肉量を維持するうえで十分なたんぱく質を胃腸に負担をかけずに取ることができます。

 

3.野菜と一緒に食べる

低糖質&高たんぱくの食生活で多いのが便秘です。炭水化物をカットするため、食物繊維が不足しがちになります。野菜やきのこ、海藻類を一緒に食べてしっかりと食物繊維をとりしょう。

 

4.たんぱく質の合成を高める栄養素を意識する

筋肉を効率よくつけるには、ビタミンB6、C、Dなどたんぱく質の合成を高める栄養素も意識することが大切です。また、筋肉の収縮にかかわり骨を強くする働きのあるカルシウムも忘れずに摂り、普段はカットしている糖質も運動前後にタイミングよくとる必要があります。

 

  • ビタミンB6:あじ、牛肉、鶏肉、ナッツ、にんにくなど

たんぱく質をエネルギーにしたり、再合成する際に使われるビタミンです。高たんぱく食では積極的にとるのがおすすめです。

 

  • ビタミンC:レモン、キウイ、いちご、オレンジ、パプリカ、ブロッコリーなど

細胞と細胞をつないでいるコラーゲンを作るのに欠かせないビタミンです。また、運動で発生する活性酵素を除去する働きもあります。

 

  • カルシウム:牛乳、しらす、干しえび、厚揚げ、ヨーグルト

筋肉の収縮に関わる他、骨や歯の材料となるります。筋トレをする方は摂取しておくと良いでしょう。

 

【時間栄養学とは】

最近、注目されている「時間栄養学」は、ダイエットでも大きい効果が期待されています。では、やせるためには、どのように食事を摂ればよいのでしょうか。

 

時計のイラスト

 

1.食べる時間帯や速度、順番、量などを考える栄養学を利用する

同じものを同じだけ食べても、そのタイミングや速度、食べる順番によって体に及ぼす作用が異なるという考え方があります。それが「時間栄養学」と呼ばれるものです。例えば、寝る前に食べると太りやすい、食事はサラダから食べ始めるとよいなどは聞いたことがあるかと思います。これも時間栄養学の一種で、人には生まれつき体内時計が備わっており、食事は体内時計を正しく動かす上で重要な役割を果たしています。

 

2.食事と食事のあいだをあけて空腹の時間を作る

食事は朝・昼・夜の3食を規則正しくとることがおすすめで、特に朝食は大切です。また、朝に日の光を浴びることに合わせて食事を摂る事により、体内時計がきちんとセットされます。1日にとるエネルギー量を10とすると朝:昼:夜を3:5:2の比率にして、厳密ではなくてもよいので朝・昼はしっかりと、夜は軽めに意識すると良いといわれています。

 

具体的には、たんぱく質やビタミン・ミネラル、食物繊維などを3食でバランスよくとりつつ、夜は脂質や糖質を控えめにすると良いでしょう。活動の少ない夜にエネルギーを摂りすぎると、余ったエネルギーが脂肪として蓄えられて太りやすくなります。寝る前に重たい食事をとると胃腸に血液が集中してしまい深い睡眠の妨げにもなりかねます。

 

3.食べる量や順番を意識する

効率よく痩せたいならば、食べる順番を意識することが重要です。食べ始めには、水やスープなどの水分を少しとることで、空腹感が抑えられて早食いを防げます。次にサラダなどの野菜、メインの肉・魚などを食べましょう。ごはんやパン、めん類などの主食はその後に食べます。

 

これは食物繊維を先におなかに入れておくことで、後から食べる糖質の吸収がゆるやかになり、血糖値の上昇が抑えられるためです。補足ですが、野菜など食物繊維を先に食べると、糖質や脂質だけでなく、たんぱく質の吸収も抑えてしまうため、筋肉をつけたい人は、肉や魚から食べるのがベターです。

 

【筋トレ前後の食事のポイント】

1.筋トレ効果を最大に得るためには食事が重要

筋肉をつけるためには、トレーニングだけではNGであり、食事の内容を考える必要があります。筋トレのようなハードな運動をすると、グリコーゲンという筋肉中のエネルギーが失われて筋肉そのものもダメージを受けます。ここにたんぱく質や必要な栄養素をタイミングよく摂取することで、一度壊れた筋肉が再合成されて筋線維が太くなっていくのです。

 

2.空腹でのトレーニングはNG!食事のタイミングを押さえる

食後すぐの運動は胃腸に負担をかけるからといって、空腹でトレーニングすることはよくありません。運動に必要なエネルギーが不足することにより、筋肉が余分に分解されてしまうおそれがあります。また、血糖値が低くなり過ぎてケガを起こしやすくなる危険もあります。そのため、胃腸に負担をかけずにすぐエネルギーにかわる糖質(プロテインやアミノ酸などもOK)をとるのが良いとされています。脂質が高いものは消化に時間がかかるためNGです。

 

<筋トレ3時間前に食べたいメニュー>

魚、野菜、ごはんをしっかりと食べることが重要です。胃腸への負担はあまり気にする必要はありませんが、肉ならば鶏胸肉やささ身あるいは牛赤身肉といった消化によいものを、魚ならば脂肪分の少ない白身魚を加熱して食べるのがおすすめです。

 

例:焼き鮭(消化しやすくたんぱく質、ビタミンB群を多く含む)+ほうれんそうとにんじんのゴマ和え(ビタミン豊富な緑黄色野菜)+白いごはん(消化後ブドウ糖に変換されてエネルギーになる)

 

<筋トレ15分前に食べたいメニュー>

胃腸に負担をかけず、すぐにエネルギーのブドウ糖になるものがおすすめです。砂糖の入ったスイーツや消化に良いものを摂りましょう。脂質の多い洋菓子よりも、和菓子のほうがさらに良いです。食事でたんぱく質が摂れなかった場合は、アミノ酸やプロテインのドリンクを利用してもOKです。

 

例:バナナ、ゆで卵、チョコレート、コーヒー、笹だんごなど

 

<筋トレ後30分以内に食べたいメニュー>

筋トレ後はアミノ酸を意識して高たんぱくの食品を食べることが重要で、たんぱく質は糖質とセットでとり、失われたエネルギーをすみやかに補ってあげましょう。30分以内に、糖質と一緒にとることでたんぱく質から筋肉が作られやすくなります。運動直前と同じく、食べやすく、すぐにエネルギーになるものがおすすめです。たんぱく質ならば乳製品を、糖質であればスイーツやフルーツを食べると良いでしょう。

 

ロイシンの作用機序を示したイラスト

 

例:アミノ酸(高濃度のBCAAを含むアミノ酸パウダーが筋トレ後には必須)、グリークヨーグルト(節合成のスイッチをいれるロイシンが豊富)

 

【おわりに】

やせやすい体作りには筋肉を増やすことが重要ですが、適切なタイミングでの食事の摂取も大切になります。今回の栄養のテーマを通じて、個人にあった効率のよいダイエットを無理なく実践できる一助となれば幸いです。

 

横山医院 理学療法士  福田周平

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