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中学生を対象に野球肘検診を行ったときの内容や様子について

【はじめに】

6月のブログで野球肘検診の紹介をしました。横山医院では、6/29(土)に日本少年野球連盟(ボーイズリーグ)に所属している『綾瀬ボーイズ』の中学1~3年生約40名を対象に実施しました。当日は、院長及び理学療法士5名で、エコー2台を持って綾瀬市にあるグラウンドまで出張してきました。

 

臨床の現場で野球肘のリハビリを行うことは珍しくありませんが、今回は検診という形なので普段と少し勝手が違いました。時間も限られているため、本番に備えてスケジューリングや勉強会など自己研鑽をつんで当日を迎えました。計画通り進められるかドキドキでした。

 

実際に行った野球肘検診の流れは次の通りです。

 

【野球肘検診のミニ講義】

まず初めに院長から、選手や家族、指導者に向けて野球肘と検診の意義についてのミニ講義を行いました。野球でボールを投げていると痛くなってくるのが野球肘という漠然としたイメージから、具体的にどのような分類があるのか、なぜ痛くなるのか等わかりやすく説明していきました。

 

エコーの講義をしている様子

 

今回は、事前に資料も配布しておきました。これから野球を続けていくうえで、選手や家族、指導者が理解しておくことで重症化を防ぐことに役立ちます。練習後で疲れているにもかかわらず、みんな集中し聞いてくれました。

 

【野球肘のためのフィジカルチェック】

エコー検査の前にフィジカルチェックを行います。フィジカルチェックでは、肘の可動域、圧痛所見、Milking testを行います。事前に所見を掴んでおくことで、次のエコー検査時に役立ちます。当日に試合や練習を行っていたこともあり、筋肉の張りによる可動域制限が確認されるケースがありました。

 

身体の状態をチェックしている様子

 

リハビリ時に、運動後のストレッチの重要性について、スポーツをされている患者さんにお話しをすることがありますが、あらためてその必要性を認識しました。身体を使ったらケアをすることを継続する重要性については、コンディションを整えて怪我無くスポーツを続けるには大切なことだと感じられました。

 

【野球肘に対するエコー観察】

エコーで肘関節の状態を確認しました。これが検診のメイン中のメインとなります。今回は、理学療法士がエコーをあて、さらに院長がチェックしていく形で実施しました。この様に、二人の目で見ることで見落としの可能性を下げてるようにして行いました。

 

エコー検診をしている様子

 

実際のエコー観察ですが、主に上腕骨小頭(肘関節の外側)の状態を確認しました。また、本人からの痛みの訴えがあった場合やフィジカルチェックで所見があった場合は、肘関節の内側もエコー観察を実施しました。

 

【セルフチェック及びストレッチ指導】

肘関節の動きに直接かかわるストレッチはもちろんのこと、そもそも負担がかかる原因となる体幹や股関節周囲のストレッチまでしっかりと指導しました。また、姿勢が局所の負荷を高める要因となるため、セルフチェックも行いました。

 

セルフストレッチを指導している様子

 

フィジカルチェックの項でも述べましたが、しっかりとケアをしてコンディションを整えることが野球肘の予防のためには重要です。そのためには、まず自分で現状を把握してケアできるようになることが予防の観点からは重要となってきます。個々の競技スキルだけでなく、コンデションを整える意識と方法が早いうちに身に付くほど良いと思います。

 

【おわりに】

今回の検診で特に意義があったと感じているのは、対象が中学生であったことです。6月のブログでも触れましたが、小学生の野球肘検診は全国的にだいぶ実施率が高まってきています。それに対して、中学生の実施率はあまり高くありません。外側型野球肘の発生率は小学生が一番高いのですが、中学生でも決して低くはありません。そうした年代を対象に検診をできてよかったと思います。野球肘の予防には早期発見と早期治療が非常に重要です。今回の検診が少しでも彼らの健康と今後のパフォーマンス向上に役立つことを願っています。

 

横山医院 理学療法士  明楽 豪

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