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日常生活の中で、肩を回したとき、膝の曲げ伸ばしをしたときなどに「ポキッ」「ゴリゴリ」「ミシッ」といった音が鳴ることがあります。関節音は珍しい現象ではなく、必ずしも病気を意味するわけではありません。しかし、関節の音が身体からの注意信号である場合もあり、症状によっては慎重な対応が必要です。本記事では、関節音の基本的な考え方に加え、肩や膝など部位別に注意すべきポイントを解説します。
関節は、関節軟骨や関節液(滑液)によってスムーズに動く構造になっています。動かした際に鳴る軽い「ポキッ」という音は、滑液内のガスが気泡化して弾けることで生じるとされ、生理的な関節音と考えられます。この場合、痛みや腫れ、動かしにくさを伴わなければ、基本的に心配はいりません。一方で、関節音が頻繁に出る、音とともに不快感がある場合は、関節や周囲の筋・腱・靱帯に負担がかかっている可能性があります。
次のような特徴を伴う関節音は、部位にかかわらず注意が必要です。
・音と同時に痛みがある
・ゴリゴリ、ザラザラとした感触がある
・引っかかり感や可動域制限がある
・腫れ、熱感、赤みを伴う
・ケガやスポーツ後から急に出現した
これらは、関節内や周囲組織のトラブルを示している可能性があります。
肩は非常に可動域が広く、筋や腱のバランスが崩れやすい関節です。肩を回した際の「ゴリゴリ」「コリコリ」という音は、腱や筋の滑走不全によって生じることがあります。
注意すべきなのは、
・腕を上げる途中で音と痛みが出る
・夜間痛を伴う
・力が入りにくくなってきた
といった場合です。これらは腱板損傷やインピンジメント症候群などが関与している可能性があります。肩の関節音は、放置すると可動域制限や慢性痛につながることがあるため、早期評価が重要です。
膝は体重を支える関節であり、関節音が出やすい部位です。階段の昇り降りや立ち上がり動作で「ゴリゴリ」「ミシミシ」と音がする場合、関節軟骨のすり減りや半月板の問題が考えられます。
特に注意が必要なのは、
・膝に体重をかけると痛む
・動かすと引っかかる感じがある
・腫れを繰り返す
といった症状です。変形性膝関節症の初期段階では、音だけが目立つこともあり、早めの対応が進行予防につながります。
股関節で「パキッ」と弾くような音が出る場合、腸腰筋などの腱が骨を乗り越える弾発股が関与していることがあります。痛みがなければ経過観察となることもありますが、痛みや違和感が続く場合は注意が必要です。また、歩行時に違和感や可動域制限を伴う場合は、関節の変形や軟骨障害が隠れていることもあります。
指を鳴らしたときの音は、多くが生理的現象です。ただし、
・腫れや痛みを伴う
・朝のこわばりが強い
以上の場合は、関節炎などの可能性も考えられます。手首や足首で不安定感を伴う音がある場合は、靱帯の緩みや炎症が関与していることがあります。
注意が必要な関節音を放置すると、関節への負担が蓄積し、慢性的な痛みや変形、動作障害につながることがあります。初期の段階で適切な評価と治療、リハビリテーションを行うことで、症状の進行を抑えられるケースは少なくありません。
関節から音がすること自体は珍しいことではありませんが、痛み・引っかかり感・腫れ・動かしにくさを伴う場合や、急に出現した関節音には注意が必要です。特に肩や膝など負担のかかりやすい関節では、早期の評価と対応が重要となります。気になる症状がある場合は、自己判断せず、整形外科などの医療機関に相談するようにしましょう。
横山医院 理学療法士 横山 麻希