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筋・筋膜性腰痛は、腰の筋肉や筋膜に対して急激にあるいは慢性的に負担がかかることで生じます。この腰痛はレントゲン上では異常がなく、足への痛みや痺れなども起こりません。スポーツなどで腰の筋肉に急なストレスがかかった場合や、不良姿勢などで慢性的に筋肉や筋膜への持続的なストレスが生じた場合などに発症します。急な強い腰の痛みとして知られている「ぎっくり腰」も、筋・筋膜性腰痛であることが多いとされています。
ほとんどのスポーツで筋肉に負担がかかるため、筋・筋膜性腰痛になる可能性はありますが、特に痛めやすい動作として多いのが、前傾姿勢でなおかつ身体を捻るような姿勢をとったときです。そのような場合、筋肉に強いストレスがかかり、筋肉が損傷してしまうことで腰痛の原因となります。また、姿勢が原因となるケースにおいても前傾姿勢で長時間いることで筋肉に負担がかかっていることが多く、デスクワークなど長時間座位や中腰での作業、あるいは重量物を持ち運ぶ業務などでも筋・筋膜性腰痛は起こりやすくなります。
筋・筋膜性腰痛の治療では、薬物療法、運動療法、温熱療法、装具療法などが行われます。発症直後の急な強い痛みの後では、基本的には安静とアイシングが大切になってきます。ただし、過度な安静は痛みを長引かせる原因にもなってしまうため、痛みが落ち着いてきたら速やかに軽めのストレッチなどを始めます。そして、損傷部位を温めることで血行が改善され、修復を早めてくれます。また、損傷した筋肉は筋出力が低下してしまっている可能性もあるため、再発を防ぐためにも腹筋や背筋などの筋力トレーニングを行うことも重要になってきます。また、仕事やスポーツを行う姿勢や動作方法などに原因があるようであれば、姿勢や動作方法の改善のためのトレーニングや指導を行い、筋・筋膜にかかるストレスの軽減を図っていきます。
通常の筋・筋膜性腰痛であれば人の身体が持つ自然治癒力により3週間程度~3ヶ月以内に自然に治ることがほとんどですが、本来安静にしておくべき時期に仕事やスポーツなどを再開してしまったことにより、痛みが慢性化してしまうケースは少なくありません。ただし、過度な安静は腰痛を長引かせてしまう要因になりますので、痛みがひどくならない程度の活動量で身体を動かすことも大切です。一般的には筋・筋膜性腰痛の予後は良好とされていますので、適切な時期に適切な治療を受けられれば大きな問題は起こりにくいと考えられます。