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腰椎分離症とは、腰椎の関節突起という部分で骨の連続性が断たれてしまった状態をいいます。スポーツをしている中学生男子に多くみられ、約9割が第5腰椎で起こるとされています。一度の衝撃でなってしまうものではなく、繰り返しのストレスで起こるとされています。
先天的に腰椎に問題のある方もいらっしゃいますが、主にはスポーツによる繰り返しのストレスが原因となり発症すると考えられています。また、高齢者の場合では腰椎の周囲組織である椎間板の変性や、骨の脆弱化などが原因で生じることもあります。身体の硬さや体幹の筋力不足により腰椎下部に負担がかかることも、発症要因の1つとして考えられています。
主な症状は腰痛ですが、腰椎分離症があっても無症状の場合が多くあります。腰椎分離症で腰痛が発生するメカニズムとしては、分離している部分に負荷がかかり腰の神経が刺激されることで生じる痛みだと考えられ、主に身体を反ったり捻ったりする動きで痛みが誘発されます。
基本的にはレントゲンにより関節突起の亀裂を確認します。また、軟部組織の状態を把握するためにMRI検査を行うこともありますし、分離が認められた場合や疑わしさがある場合にはCT検査を行うこともあります。
腰椎分離症に対する治療は基本的に保存療法で行います。まずは原因として考えられているスポーツ活動を一旦中止し、日常生活上で腰に負担がかかりそうな動作を行わないように注意が必要です。場合によってはコルセットを装着したり、鎮痛剤や筋弛緩薬を服用するなどして慎重に経過を観察していきます。それでも症状が持続する場合にはブロック注射を行うこともあります。
分離早期の症例では、3ヶ月以上のコルセット装着とスポーツの休止で約70%の症例に骨癒合が得られるとされています。しかし、骨癒合がうまく行われず、腰椎分離症による腰痛が明らかな場合は手術療法が選択されることもあります。手術方法としては分離部を固定する手術や、脊椎を固定する手術などが行われます。
まず重要なのが安静にすることで、徐々に痛みが落ち着いてきたら温熱療法などで患部を温めることで疼痛の緩和を図っていきます。また、腰部を含む体幹や股関節のストレッチング、体幹のインナーマッスルを中心とした筋力トレーニングを行います。特に腰部多裂筋は腰椎を正中化し、腰椎にかかる過度な負担を緩和する働きもあるので、強化しておいた方が良いと考えられます。
スポーツ復帰までには3~6ヶ月程度かかることが多いとされていますが、実際には痛みを残したままスポーツに復帰してしまうケースも少なくありません。しっかりとしたリハビリテーションを受けずにスポーツを続けてしまうと症状を悪化させ、さらに治癒期間も長くなってしまう可能性がありますので、スポーツをされている方で腰の痛みが気になる方がいらっしゃるようでしたら、当院までお気軽にご相談ください。