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頚肩腕症候群とは、腕や肩、首、背中などの痛みや感覚異常などの総称のことを言います。特徴としては、頚部のレントゲンやMRIで大きな問題が見られず、五十肩や腱板損傷といった肩の障害も否定される場合に診断される疾患です。
同じ姿勢や動作の繰り返し、首や肩周りあるいは腕・指に負担の多い作業をしている場合に発症しやすいです。仕事に限らず、育児や家事、スポーツ、趣味など自分では気づかない長時間の不良姿勢、負担のかかる動作の繰り返しなどが原因となります。
首、肩、腕、手周辺、肩甲骨周囲などに症状が生じます。首や肩の筋肉のこり、前腕の重だるさ、首のこわばりや可動性低下、腕の可動範囲の狭小化などが主な症状として挙げられます。慢性的な症状になると、手足の冷感や痺れなどの末梢神経障害や筋力低下が生じることもあります。また、慢性疲労や倦怠感といった自律神経失調症状や、不眠や食欲低下などのうつ症状が起こる場合もあります。
頚肩腕症候群の主な診療科目は整形外科です。診断は主に問診、触診、画像検査(レントゲン検査、MRI検査、エコー検査など)の結果をもとに行います。「ただの肩こりで整形外科に受診してもいいのだろうか?」と悩む必要はありません。3日~1週間以上症状が続くようであれば速やかに受診しましょう。
問診を受ける際、いつ頃から痛むか、どんな時、どんな行動、どんな姿勢をしていると症状が出るか、夜は眠れているか、逆に楽な時間帯、姿勢、行動はあるかなどのポイントをメモしておくと問診がスムーズになるかと思われます。
安静時、夜間時に痛みが出て辛いというのであれば消炎鎮痛剤、筋弛緩剤の投与といった対症療法を行い、まずは痛みを和らげることが重要です。痛みが続いてしまうと、筋力低下や慢性痛による倦怠感、痺れなどの症状が出てしまうことがあります。また、自律神経失調症の症状が疑われる場合には、自律神経を整えるために適度な運動や十分な睡眠をとることも効果的です。
理学療法では、温熱療法や電気刺激療法などの物理療法、首や肩のストレッチング、関節可動域訓練、セルフ体操指導、姿勢や動作指導などを行います。頚肩腕症候群において重要なポイントは、首や肩に負担をもたらす長時間の悪い姿勢を改善することです。
いくら症状が改善したからといって、悪い姿勢、動作をまた繰り返してしまえば再発の恐れがあるため、不良姿勢の改善が再発を防ぐためのポイントになります。