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仙腸関節炎

【概要】

仙腸関節とは骨盤と脊椎との間にある関節で、下肢と体幹をつなぐために重要な役割をしています。そして、仙腸関節が様々な要因により炎症を引き起こして痛みが出現するようになったものを仙腸関節炎と言います。

 

【原因】

重量物を持つ作業をされる方や肥満の方、頻繁に中腰姿勢をされる方などで多くみられます。女性では産後の方に多いとされていて、これは出産による骨盤の緩みが仙腸関節を不安定にしてしまうことで、炎症が生じやすい状態になってしまっていることが考えられます。

 

【症状】

腰のやや下方で痛みが生じることが多いですが、なかには臀部や大腿部にまで痛みを訴える場合もあります。仙腸関節炎では、中腰姿勢や身体を反る動きで痛みが悪化する傾向にあります。

 

腰を反って痛がる女性

【診断】

レントゲン検査や疼痛部位、身体を反る動きで痛みが誘発されるかどうかなどの所見から総合的に診断します。また、徒手的な疼痛誘発検査としては次のようなものがあります。

 

  • Newtonテスト
  • Gaenslenテスト
  • Patrickテスト

 

いずれも仙腸関節にストレスをかけるもので、これらのテストで痛みが誘発されるようであれば仙腸関節炎が疑われます。

 

【治療】

炎症が強い時期には負荷をかけるような動きは制限して、場合によってはコルセットを装着して安定性を高めます。そして、湿布や内服薬の使用、ブロック注射、リハビリテーションなどを行うことで痛みの緩和を図っていきます。重症例で日常生活に支障をきたす例では、仙腸関節を固定する手術を行うこともあります。しかし、通常は保存療法で経過をみることが多く、手術を行うことはめったにありません。

 

【リハビリテーション】

骨盤周囲筋のストレッチや筋力トレーニングで仙腸関節にかかるストレスの緩和を図っていきます。筋の問題としては、脊柱起立筋群や大殿筋など骨盤の動きをコントロールする筋のインバランスや機能不全などが考えられます。そのため、これらの筋の緊張に偏りがなく適切な位置に骨盤を保つことが仙腸関節にかかる負荷を軽減することに繋がります。

 

体幹トレーニングをする女性

 

筋肉の作用以外では、肥満などによりお腹が出てきてしまうと腰を反るような姿勢をとりやすくなります。それにより仙腸関節の圧迫を強めてしまい、変性を強めてしまう可能性が高くなります。そういった方に対しては栄養指導を行い、体重コントロールを図っていきます。体重を減らすためには、活動的なスポーツでもされていない限り、通常では食事を中心とした体重管理を行った方が有効です。特に糖質の過剰摂取が体重増加を招いてしまうケースが多くみられるため、まずはごはんやパン・麺類、あるいはお菓子やアイスなどの甘いものを控えると良いでしょう。

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