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骨粗鬆症とは、骨の強度が低下して骨がもろくなり、「骨折のリスクが増大した状態」です。
では、骨の強度とはどのように決まるのでしょうか?
骨強度は「骨密度」と「骨質」で決まります。
骨強度の70パーセントは「骨密度」を反映しています。
骨粗鬆症になっても特に症状はありません。
骨がもろくなって骨折が起こると、その部位に疼痛、腫脹、変形などの症状が現れます。
例)脊椎圧迫骨折、大腿部近位骨折、橈骨遠位端骨折、上腕骨近位端骨折など
まずは、「骨のリモデリング」についてお話させていただきたいと思います。
骨は毎日少しずつ溶けて(骨吸収)、また新たに作られる(骨形成)ことを繰り返しています。
このバランスがくずれて骨吸収のスピードが骨形成のスピードを上回ると、骨密度は低下します。
加齢により、骨形成のスピードが低下すると骨吸収のスピードが上回り、骨密度が低下してしまいます。
一般的に 骨密度のピークは男女ともに20代 !!
その後は低下すると考えられています。
つまり、早期予防 が重要です。
若いうちから、食生活や運動習慣に気をつけて、できるだけ骨密度のピークを高くして、その後の低下を予防することが大切です。
骨量がすでに減少している高齢者は、骨量の維持・転倒予防が重要です。
女性ホルモンのエストロゲンには、骨吸収を緩やかにする効果があります。
女性は閉経を迎えると、エストロゲンの減少により、骨吸収のスピードが上がって骨密度が低下し、骨粗鬆症になりやすくなります。
運動不足や寝たきりにより、骨への負荷が不足すると骨量は減少します。
また、食事からのカルシウム、ビタミンD、ビタミンKなどの不足は骨密度や骨質の低下につながります。
特定の疾患や、薬などによっても起こります。
糖尿病 / 動脈硬化 / 慢性閉塞性肺疾患 / 内臓疾患(慢性腎臓病・肝臓病など) / 内分泌疾患(甲状腺機能亢進症 など) / 栄養不良 / 関節リウマチ / 薬剤性(ステロイド剤・抗うつ剤・ワーファリンなど)/ 先天性疾患 (骨形成不全・マルファン症候群 など)/ その他(アルコール依存症 など)
また、酸化ストレス、血糖値異常、ビタミンDやビタミンKの不足により骨質が低下すると考えられています。
問診→身体診察→画像検査→骨密度の測定→血液・尿検査→鑑別診断
開始基準は日本骨粗鬆学会が刊行している「骨粗鬆症の予防と治療ガイドライン2015」を参照してください。
治療開始前に骨代謝マーカーを測定することがありますが、骨粗鬆症の病態の把握や、適切な治療薬の選択に役立っています。また、投薬開始による治療効果の判定にも役立っています。
治療薬には、骨吸収抑制剤、副甲状腺ホルモン剤があります。
治療開始後は、定期的なモニタリング、フォローアップが必要です。治療効果を判定の上で、本人の治療意欲、ライフスタイル、服薬状況を含め適切な治療法をすすめていきます。
カルシウム摂取は重要ですが、合わせて栄養素全体の摂取、バランスを考えることが重要です。カルシウムの吸収を助けるビタミンDや、骨の形成を助けるビタミンKも同時に摂ると良いでしょう。
カルシウムは700~800㎎
例)牛乳200ml、ヨーグルト100g、木綿豆腐半丁、ひじき10g
ビタミンDは10~20μg
例)鮭100g、鶏卵1個、干し椎茸10g
ビタミンKは250~300μg
例)納豆50g、ほうれん草70g、しその葉2枚
主な目的は、骨密度上昇と骨折予防です。
有酸素荷重運動、筋力増強練習、バランス練習など
運動の方法や運動強度等については、医師の指示の下、専門職に相談すると良いでしょう。
横山医院 理学療法士 横井 宣恵