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アキレス腱断裂

【概要】

アキレス腱断裂は若い方から高齢者まで誰でもみられるもので、そのほとんどがスポーツをしているときに発生しています。発症率が高いスポーツとしては、テニス、バスケットボール、バレーボールなどが挙げられますが、足関節の瞬発的な動きは多くのスポーツで必要とする動きであるため、どのようなスポーツでも起こる可能性があります。

 

テニスをしている人たち

 

男女による発生率の差はほとんどなく、スポーツによっては左側あるいは右側で生じやすいなど、発症率に差がみられるものもあります。アキレス腱断裂は完全断裂がほとんどで、部分断裂は稀となっています。

 

【症状】

意外にも痛みは少ない場合が多く、歩きづらさはあるものの歩行は可能なことが多く、断裂を見落とされてしまうこともあります。しかし、つま先立ちなどのふくらはぎの筋肉を使う動きはできなくなってしまいます。

 

【診断】

アキレス腱断裂の診断に最も有効なテストは「トンプソンテスト」というものです。腓腹筋という筋肉を握ると通常は足首が底屈方向に動くのですが、アキレス腱断裂があると腓腹筋を握っても足首に動きがみられないといった特徴があります。また、視診によってアキレス腱部の腫れや凹みなどを確認します。部分断裂など判断が難しい場合には、MRI検査などの確定的な診断を行うこともあります。

 

足関節の動きのイラスト

 

【治療】

アキレス腱断裂の治療には保存療法と手術療法があり、それぞれに特徴があります。保存療法のメリットとしては、入院がない、手術もしないため感染のリスクがない、費用が抑えられるなどが挙げられます。一方、デメリットとしては、固定が長期になるので筋力が落ちやすい、再断裂のリスクが高いなどが挙げられます。手術療法のメリットとしては、再断裂のリスクが低い、スポーツ復帰が早いなどが挙げられます。デメリットとしては、感染のリスクがある、費用がかかってしまうなどが挙げられます。

 

保存療法では、ギプスや装具を用いて6~8週間固定します。また、手術療法では「アキレス腱縫合術」を行い、保存療法と比べて早期に動かすことが可能で、筋力も低下しにくいことや再断裂のリスクが低いことなどから手術療法が選択されることが多いです。

 

【リハビリテーション】

保存療法では、固定期間後に足関節の可動域訓練や筋力トレーニングを行います。手術療法後では、早ければ術後翌日から足関節周囲筋の低負荷での筋力トレーニングを行い、徐々にその強度を高めていきます。もも上げ運動やかかと上げ運動などを行い、筋力が低下してしまった部位の回復を図るとともに、関節可動域訓練により関節の動きの改善を図っていきます。

 

スポーツの復帰に関しては、術後3ヶ月前後でランニングなどを開始して、徐々にスポーツの基本動作を中心とした練習に復帰していきます。本格的にスポーツに復帰するのは一般的に4~6ヶ月とされていて、ここで重要なのはしっかりと段階を踏んで練習の負荷を上げていくということです。無理な練習はアキレス腱の再断裂の可能性もありますし、慎重にスポーツへの復帰を進めていく必要があります。

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