ご予約・お問合せ
045-331-3296
MENU

医院ブログ

Blog

事前受付

事前受付

ブログ

病気について

スタッフブログ

足のむくみの原因やそれに関連する病気及び解消方法について

【はじめに】

夕方に足がパンパンになったり、靴下の線がついたり、指で押すと指の跡が残ったりするなどの症状は、多くの方が感じたことがあるのではないでしょうか。ここでは、むくみに関する情報と解消方法について解説します。

足がむくんでいる写真

【むくみとは】

一般的には「浮腫み(むくみ)」と言われ、医学用語では浮腫(ふしゅ)と呼ばれます。人の体は約60%が水分で構成されています。その体内の水分の3分の2は、「細胞内液」という細胞の中に含まれる水分で、残りは「細胞外液」といい、血液に含まれる水分や細胞と細胞の間を満たしている水分です。これらの水分は、細胞に栄養を送ったり、老廃物を除去したりする役割を担っています。また、細胞や血管の中を行き来して、体内の水分のバランスを保っているのも特徴のひとつです。しかし、このバランスが崩れて細胞と細胞の間に水がたまり、異常に増加したのが「むくみ」です。多くは病気ではなく一過性の症状ですが、稀に病気のサインの可能性もあるため注意が必要です。

【むくみのメカニズム】

むくみは血流の低下によって引き起こされます。私達の体に必要な酸素や栄養は、血液によって体の隅々にまで届けられます。そして届け終わった後は、細胞で作られた二酸化炭素や老廃物を受け取って心臓に戻ってきます。この時、筋肉が動くことで血流を促し心臓に血液が戻されますが、筋肉が動かないと血流が悪くなってむくみの原因となります。

ふくらはぎの筋肉と血管の画像

 

【むくみの主な原因】

1.生活習慣

塩分の取り過ぎやアルコール摂取、デスクワーク、立ち仕事、運動不足などの生活習慣によるものがあります。

2.ホルモンの影響

女性の場合は、月経周期によるホルモンも影響します。月経前の時期には体に水分をため込みやすくなる為、むくみやすくなります。

3.長時間の同じ姿勢

デスクワークが多い方が夕方になると足がパンパンになるのは、下肢の筋肉を動かさなかった為に足の血流が低下してしまうからです。足は心臓から最も遠くにある為、ふくらはぎの筋肉がポンプの役割を果たして、血液と共に水分を心臓に送ったり、全身に巡らせたりしています。ふくらはぎの筋肉を使わずにずっと同じ姿勢で動かずにいると、重力の影響で水分が下半身にたまってしまい足がむくみます。

4.冷え

冷えることによって血液が停滞し、身体の末端まで血液が十分に届かなくなります。

5.筋力低下

運動不足や老化によって筋力がどんどん低下していきます。特にふくらはぎの筋肉は“第二の心臓”とも呼ばれ、心臓のようなポンプの働きをしています。ふくらはぎの筋力が低下すると血液を心臓に戻せなくなり、血液中の水分が停滞することでむくみやだるさを感じやすくなります。

 

【足のむくみに関連する病気】

むくみが病気のサインになることもあります。

1.両足にむくみが出る病気

・腎不全、ネフローゼ症候群

・心不全

・肝硬変

・低栄養

・甲状腺機能低下症

 

2.片足にむくみが出る病気

・下肢静脈瘤

・深部静脈血栓症

・リンパ浮腫

・麻痺性浮腫

少し動いただけで息切れをしたり、痛みや熱感など明らかにいつもと違う症状が出たりしている場合は危険です。速やかに医療機関の受診をお勧めします。

むくみを放置すると「下肢静脈瘤(かしじょうみゃくりゅう)」という足の静脈にある弁に障害が起こり、血液が脚にたまって血管が浮き出る症状を引き起こしてしまう場合があります。下肢静脈瘤は女性に多くみられることが特徴です。

 

【自宅でできるセルフケア】

①つま先立ち

立ってつま先立ちを行うことで、より効果的に血液ポンプ機能のある「ふくらはぎ」の筋肉を鍛えることができ、むくみの解消に繋がります。デスクワークの方や立って行うことが難しい方は、椅子に座りながらかかとを上げ下げするやり方でも効果があります。1日30回を目標に行いましょう。

 

②太ももあげ

立った状態でしっかりと支えとなる椅子やテーブルに掴まり、片方の太ももを上げると、足全体の血流を良くする効果があります。この時なるべく膝は90°程度曲げて行います。1日30回を目標に行いましょう。

 

③スクワット

立った状態でしっかりと支えとなる椅子やテーブルに掴まり、足を肩幅に開きます。お尻を後ろに突き出しながら、腰を落とします。この時、膝がつま先よりも前に出ないように注意しながら膝を曲げます。なるべくゆっくりと呼吸をしながら、もとの立位の姿勢に戻ります。足の大きな筋肉(大腿四頭筋・大殿筋など)を鍛えることができ、足がむくみにくい下半身を作ることができます。1度に行う回数は10回として1日合計30回を目標に行いましょう。

 

④足首グルグル・足指グーパー体操

片方の足を引き寄せて、その足と反対の手の指を足の指の間に入れ込みます。しっかり付け根まで指を入れ込んでから手の力で足首を回します。内回し・外回しをそれぞれ10回行いましょう。また、椅子に座りながら足の指を曲げ・伸ばしする動きを10回3セットを目標に行いましょう。ふくらはぎや足裏の筋肉を動かすことで、血液の流れがよくなる効果が期待できます。

足指の運動をしている女性の画像

⑤マッサージ

1.足首を回す(内回し・外回し各10回)

2.つま先→足首→膝の順番で体から遠い場所から優しく擦る

3.両手でふくらはぎを掴んでつま先を上げ下げする(10回)

マッサージにより足に滞った老廃物を改善する効果があります。また、お風呂あがりに行うと足への血流も良くなっている為、さらに効果が期待できます。

 

【日常でできる予防と対策】

①医療用弾性ストッキング

弾性ストッキングは特殊な靴下で、足の血液循環を助ける役割があります。ただし、むくみの原因が病気のサインである可能性がある場合や糖尿病などの持病を抱えている人は、使用に際して血流障害や皮膚の合併症が起きる可能性がある為、使用前に必ずかかりつけ医に相談しましょう。

 

②足を伸ばして座る

椅子に座る際、別の椅子に足を乗せて、足とお尻の高さを同じにして座ることでむくみを予防することができます。足先がお尻よりも下がってしまうと効果が期待できません。クッションなどを使って高さを調節しましょう。また、就寝時に足の下に薄い座布団やクッションなどを入れて足を少し高くすることも効果的です。

 

③食事に気をつける

塩分を控え、カリウム(バナナ、昆布、納豆、さつまいも)やビタミンE(ごま、大豆、豚肉、ウナギ)を摂取することも大切です。カリウムは塩分排出と水分調整に役立ち、ビタミンEは血行を促進します。その他、たんぱく質(たまご、ヨーグルト、ささみ、チーズ)とビタミンB1(カボチャ、鮭、アーモンド、たらこ)不足もむくみの原因となるため、バランスの取れた食事が大切になります。

 

【最後に】

足のむくみ原因は、今回ご紹介した以外にもリンパ浮腫や体温調節不足など様々あり、病気のサインとなる症状が隠れている場合があります。いつもと違う症状を感じた際には早めに医療機関へ行くことをおすすめします。また、運動は日々の積み重ねになりますので無理のない範囲でご自分のペースで行っていきましょう。

 

横山医院 理学療法士 福田周平

pagetop