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糖化と疲労との関係|AGEsの産生を抑えるための予防対策

【糖化と疲労について】

昔に比べて疲れやすい、朝起きるのが辛い、どんなに寝ても疲れが全く取れない、このような症状が思い当たる方もいらっしゃるのではないでしょうか。血糖値が高い状態が続くことによって生じる「糖化」によって、前述のような症状が起きる事があります。これから、疲労と糖化の関係性について解説します。

睡眠の質が悪い女性

 

 

【糖化とAGEsの関係について】

糖化とは、糖がタンパク質と結びつき「老化原因物質」=AGEs(終末糖化産物)を産み出す反応のことを言います。体内では、糖化は食後高血糖が続くことによって産み出されると言われています。また、体の中の細胞にはAGEs(終末糖化産物)をキャッチするRAGE(終末糖化産物受容体) という受容体があります。RAGEという受容体が活性化されてしまうと、炎症を促す分子を作る仕組みが活発になり、体のあちこちで炎症が起こります。慢性的な炎症が続くと、風邪を引いた時のように常に体がだるい状態を引き起こし、疲れがとれない原因となることがあります。そのため、疲労と糖化は関係があるとされています。

 

【糖化による主な症状】

・慢性的な疲労

・起床時の疲れ

・食後の強い眠気

・集中力の欠如や無気力

・めまい、ふらつき、偏頭痛

・食後2時間くらいで空腹を感じる

・血圧の上と下の差が大きい

・いびきが大きいと指摘される

・風邪をひきやすい

 

【糖化予防のための対策】

脱AGEsの為には、食後高血糖の状態にならないようにすることが必要です。食事により血糖値は上昇しますが、正常では食事後の血糖値が一定範囲内に収まるように調整されています。しかし、食後2時間経っても血糖値が高い場合は食後高血糖と言われます。

 

また、食後高血糖が生じると血糖値を下げるインスリンというホルモンが過剰に分泌されるため、血糖値が急降下して低血糖となることがあり、これを反応性低血糖と言います。低血糖状態に陥ると、疲れ、眠気、やる気・集中力の低下といった症状が現れます。食後、毎回のように眠気や集中力が低下するなどの心当たりがあれば、反応性低血糖が起きている可能性が考えられます。

食後高血糖のイラスト

また、AGEsは食事から体内に摂取されることもあるため、食事内容を見直すことも大切です。次に、脱AGEsのための対処法をお伝えします。

 

①糖質の少ない炭水化物を主食にする

ご飯やパンや麺類といった主食は糖質が多く、急激に血糖値が上がりやすい食品です。そのため、血糖値を上げにくい玄米や全粒粉パンやそばなどの黒っぽい主食を選択するようにしましょう。購入時に記載されている成分表を見比べてみると、糖質の量がだいぶ違うことが分かります。一度見比べてみていただくと良いかもしれません。

 

②食べる順番を意識する

まず、食物繊維が多くて血糖値を急激に上げにくい野菜やきのこ類、次に肉や魚などのタンパク質と脂質が主体の主菜、最後に主食を食べるようにしましょう。そうすることによって、急激な血糖値上昇や食後高血糖を防ぐことが出来ます。3食のうち、どのタイミングで食後に眠くなるか決まっている方は、その食事の時だけでもこの方法で食べてみてください。また、主食ばかりを食べると食後高血糖となり、その後に反応性低血糖にもなることがあります。そこで、血糖値を上げるために甘いおやつを食べてしまうのは良くありません。

食事をしている男性

③調理方法で工夫する

AGEsとは「糖とタンパク質が結びついてできた物質」で、調理の際に高温で加熱されると多く生成されると言われています。つまり、加熱してこんがり焼き目の付いた食品はAGEsが多いということになります。また、AGEsは「加熱する温度が高いほどより多く発生する」という特徴があります。揚げ物や炒め物は油の温度が170℃~200℃、オーブン焼きは200℃~240℃と高いため、AGEsが大量に生成されます。一方、ゆでる、蒸す、煮るといった調理法は水分を使うため100℃までの加熱に抑えられる為、発生するAGEsも少なくなります。同じ鶏肉料理でも、焼き鳥は水炊きの6倍、唐揚げは10倍ものAGEsが発生すると言われています。調理法にも目を向けて、揚げ物や炒め物は控えるようにしましょう。

 

④AGEsの元となる精製・加工された食品を避ける

糖化の原因となる糖には、「ブドウ糖」と「果糖」の2種類があります。食事に含まれる砂糖とタンパク質が胃腸で吸収される時、消化酵素によってブドウ糖に変換されます。注意が必要なのは、ブドウ糖に比べると10倍のスピードでタンパク質と結びついて糖化を起こす果糖です。特に、果糖だけを抽出して作られた甘味料には問題があるとされています。甘味料は、市販の清涼飲料水やスポーツドリンク、缶コーヒー、かき氷シロップ、焼き肉のたれ、ドレッシングなど多くの食品に配合されています。商品を購入する際、成分表示のところに「高果糖コーンシロップ(液糖)」、「異性化糖」、「ブドウ糖果糖液糖」、「果糖ブドウ糖液糖」など様々な名前で記載されています。これらの甘味料が入った食品や飲料水を、なるべく取り過ぎないようにしましょう。

 

【まとめ】

何も気にせずに食事をしていると、気付かないのうちに「糖化」を加速させて疲労感が強くなる生活を送っている可能性があります。食事で摂取した糖質の量を計算してみたり、医療機関等でAGEsを計測してみたりすると良いかもしれません。食生活を見直して、疲労を溜めこまない生活を送りましょう。

 

横山医院 理学療法士 高橋洋平

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