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前十字靭帯は膝関節の中で最も重要な役割を担っていて、主に脛骨の前方移動や膝関節の回旋を抑制する働きがあります。スポーツをしているときに発生することが多く、特にスキー、バスケットボール、サッカーなどのスポーツでの発生が多くなっています。
まずは問診で前十字靭帯損傷の既往がないか、繰り返しの膝崩れの症状がないかなどを確認します。また、「Lachman test」や「前方引き出しテスト」などの徒手的な検査を行い、前十字靭帯損傷の疑いがあるようであればMRI検査による画像診断を行います。
前十字靭帯損傷直後では、腫脹、熱感、疼痛などの炎症症状が認められます。損傷時には断裂音を伴うことも多く、膝が外れたような感覚が生じることもあります。その大半は強い痛みを伴い、その場で動けなくなり競技を継続することも難しくなってしまいます。また、これらの症状から歩行など日常生活にも支障が出ますが、適切な治療を行えば2~4週ほどで痛みは改善して日常生活に支障がない程度までには動くことが可能になります。
前十字靭帯損傷は、ほとんどがスポーツをしているときに起こるとされています。膝に直接的な衝撃を受けたときや、動作中に膝を捻りながらバランスを崩してしまったときなどに、前十字靭帯に強いストレスがかかることにより損傷が生じます。損傷が起こるタイミングとしては、方向転換やストップ、ジャンプ動作からの着地などで瞬間的に膝崩れを生じたときに発生します。
・受傷パターン
これらの中でも外反損傷の割合が最も多く、半数以上が外反位で損傷したものであると考えられています。
・受傷形態
前十字靭帯損傷の自然治癒は極めて難しく、日常生活やスポーツ復帰のために手術が選択されることが多くなっています。手術方法としては、自分の半腱様筋腱や薄筋腱などの組織を用いて前十字靭帯再建術を行います。そして、手術の前後にリハビリテーションを行うことで、日常生活やスポーツへの復帰を目指していきます。
手術前のリハビリテーションとしては、筋肉の萎縮や硬さがないかをチェックします。もしも手術後のリハビリテーション実施に悪影響を与えるほど機能の低下がみられた場合、可動域訓練や筋力トレーニングを行うなどコンデイションを整えておく必要があります。
手術後のリハビリテーションでは、早期から関節可動域訓練やSLRあるいはクォータースクワットなどの筋力トレーニングを行います。また、歩行訓練や階段昇降なども行い、徐々にエアロバイクやジョギングなど負荷を上げていき、本格的にスポーツに復帰するまでは個人差はありますが、8~12カ月はかかるとされています。