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天気痛(気象痛)と低気圧の関係│セルフチェックと治療方法

皆様の中で、ご自身の体調の変化が天気のせいによるものかもしれないと思われる方はいらっしゃるかもしれません。ここ数年で天気痛というものがテレビでも取り上げられることもあり、「天気痛・気象病外来」という名前で外来をしている先生もいらっしゃいます。

 

【天気痛とは】

天気痛(気象関連性疼痛;以下、天気痛)とはどのようなものでしょうか。天気痛とは、「病気」ではなく「病態」です。天気の影響を受けやすい病気がもともとあり、天気によってその症状が引き起こされたり悪化したりするため、人によって症状は千差万別に現れます。天気痛は「低気圧だから」不調になるのではなく、「気圧の変化」によって症状が出やすくなります。

 

雨で頭痛がする女性のイラスト

 

【天気痛と関連の強い病気】

天気の影響を受けやすい病気には以下のようなものがあります。

 

・関節リウマチ

・変形性関節症

・頭痛

・肩痛

・腰痛

・線維筋痛症 など

 

【天気痛の症状】

天気痛の代表的な症状として、以下のようなものがあります。

 

・頭痛

・めまい

・首痛

・肩こり

・耳のトラブル

・気管支ぜんそく

・古傷

・心の不調

・関節痛 など

 

【天気痛の原因】

では、天気痛はなぜ起こるのでしょうか。その原因として考えられているのが、内耳の感受性、脳の過敏性、自律神経の乱れなどです。実際、天気痛の症状がある人は一般の人に比べて、3倍ほど内耳の感覚が敏感だというデータもあります。

 

【天気痛の発症率】

平成2年にロート製薬とウェザーニュースが「天気痛」の実態調査をしていますが、平均週2回、推計1千万人以上が発症しているとのことです。気圧変化に伴い約6割に自覚症状があり、性別では女性の方が多いとのことです。症状は、年代別では若い方に頭痛が多く、加齢とともに肩こりや首こり、関節痛の割合が増加していくとのことです。

 

また、症状がひどい場合には日常生活にも影響が出ることがあります。論文には、天気痛の年齢層は10代から80代までと幅広く、疼痛強度は中等度で、日常生活活動が疼痛により中等度に障害されているという結果がありました。

 

【天気痛の治療】

まず、何科を受診すればよいかという点については、症状に合わせて受診すると良いかと思われます。例えば頭痛なら頭痛外来、めまいなら耳鼻科、関節痛なら整形外科を受診することをお勧めします。

 

天気痛により運動器に関連する症状がある方は、痛みとともに筋や関節の機能異常を生じていることが多いです。痛いからといって動かさずにいると、不必要な安静や不活動あるいは抑うつなどで活動制限が生じ、痛み体験がさらに増強されてしまいます。ご自身の症状を把握するためには、以下のような方法があります。

 

・「痛み日記」:毎日の痛みの状態と天候を記載して、自己把握をする

・天気情報アプリなどを活用して体調の変化をある程度予測し、服薬のタイミングを自己調整する

 

日記を書く女性のイラスト

 

このようにすることで、痛みを自己コントロールできるという安心感が得られ、痛み体験の増強から脱却できることもあります。

 

非薬物療法では、セラピストによる運動療法も推奨されています。天気痛の症状をお持ちの方では内耳が過敏になっていることも考えられるので、耳や耳周囲の血行改善のための運動療法も合わせて行うのも有効です。そのほかにはストレッチングや筋力増強、筋持久力強化なども有効です。

 

ウォーキングをする女性のイラスト

 

実際には、疾患・病態や個別の状態(痛みの部位・程度や患者背景)に合わせた適切な運動療法の適用が必要です。その際、運動強度は、自分に適した強度が有効で、全身的な運動が効果的(運動開始部位は痛みがない部位から行う)であり、定期的な運動習慣の獲得を目標とすると良いでしょう。運動を継続するモチベーションや活動量の定量化あるいは動作指導などにより、痛みの学習やコントロールができるようになる自信を獲得して、痛み体験の増強から脱却をはかることができるでしょう。

 

横山医院 理学療法士  横井 宣恵

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