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超音波診断装置(エコー)の普及により、医師の診察はより迅速かつ精度の高いものへと発展しています。特にエコーは、筋、腱、靱帯、神経、血管などの状態をリアルタイムに観察でき、病態把握や治療方針決定の一助となっています。そんな中、理学療法士によるエコーの活用も進んでおり、運動時の筋収縮や組織の動態評価が「視覚化」され、より客観的かつ根拠に基づいたリハビリテーションの提供につながっています。今回は、当院リハビリ科におけるエコー活用に向けた取り組みについてご報告します。

超音波診断装置(エコー)は、人体に超音波を当て、その反射を画像として映し出す検査機器です。放射線を使用しないため被ばくの心配がなく、身体への負担が少ないことが大きな特徴です。CTやMRIなどの画像検査は、身体内部を詳細に描出できる一方で、検査室への移動や予約が必要な場合が多く、リアルタイムの動きの観察は得意ではありません。また、CTは放射線被ばくがあり、MRIは検査時間が長く閉所が苦手な患者には負担となります。
それに対してエコーは、その場で即時に観察できることに加え、筋肉や腱、靱帯、神経、血管などの動きをリアルタイムで確認できる点が大きな強みです。例えば、関節を動かしながら筋肉の収縮や腱の滑走を観察できるため、痛みの原因や機能障害を動的に評価することが可能となります。
近年では、医師だけでなく理学療法士もエコーを活用する場面が増えており、評価と治療を結びつけたより精度の高いリハビリテーションにつながっています。エコーは「その場で見て、その場で判断できる」ことが最大の特徴であり、現代医療において重要性が高まっている画像検査の一つです。
当院の超音波画像診断装置は、診察室に3台、リハビリ室に2台が常備されており、日常の診療で使用されております。また、本年よりポータブルエコーが導入され、訪問リハビリにおいても活用を進めております。リハビリテーション科においても、質の高い医療の提供の一環として、エコーベースの理学療法及びエコー所見を活用した医師と理学療法士の連携を推進しております。そのため、昨年より医師と理学療法士による定期的な勉強会を実施しております。
2025年:上肢(肩関節、肘関節、手関節、手指)、下肢(股関節、膝関節、足関節)、体幹(腹部、腰部)の全身の基礎的な画像描出
2026年:月1回の基本描出復習会、3ヶ月に1回の臨床応用勉強会
リハビリにてエコーを活用するのは、患者様の体の中で起こっている痛みの原因を視覚化し、より分かりやすく説明・共有し、1日も早い痛みの改善に向けて患者様と共に治していくことを目的としています。また、病態によっては注射等の治療が必要な場合は、エコー画像と理学所見をもとに医師とカンファレンスを行い治療の検討を行います。日頃から一人の患者様を、医師と理学療法士、また看護師や事務職員など、全員で治療を進めるべく連携を強めております。
本年は肩や肘といった上肢のリハビリテーションへの臨床的な活用を進めており、来年は下肢と体幹の臨床活用のための勉強会を行っていく予定です。それにより、さらに医師と理学療法士の連携を強化していきます。また、当院HPや今後開設予定であるInstagramなどのSNSでも超音波診療の専用ページを開設し、患者様に分かりやすい医療を提供できるよう研鑽を進めて参ります。
理学療法士 塩谷 直久